記事で得られる情報
- レビューを活用して市場調査と競合分析を行い、Qoo10で売れる商品を特定してヒット商品候補を見つけ出す。
- 「QSM(販売者管理ツール)」を活用して検索ボリュームを把握し、商品名に適切なキーワードを配置する。
- 過去のセール実施日を参考にメガ割などの大型セールのスケジュールを理解し、詳細な準備を行って売上を最大化する。
目次
- 1. 徹底的な市場調査と競合分析に基づいた「売れる商品」の発掘
- 2.検索流入を最大化するための人気キーワードの選定
- 3.アプリ/モバイルファーストの視点に基づいた店舗・商品ページの最適化
- 4.年間セールスケジュールを把握し、周到な準備で爆発的な売上を狙う
- まとめ
1. 徹底的な市場調査と競合分析に基づいた
「売れる商品」の発掘
売上を大きく左右する最初のステップは、「何を売るか」という商品選定です。闇雲に商品を並べるのではなく、市場のニーズを的確に捉え、競合の状況を詳細に分析することで、ヒット商品化するポテンシャルの高い商品を見つけ出すことができます。
1.1 競合商品の直近3ヶ月のレビュー数を徹底的に把握する
まずは、現在販売している商品あるいはこれから販売を検討している商品の競合となる商品をQoo10内で徹底的にリサーチします。重要なのは、「今、何が売れているのか」というリアルタイムな市場の動向を把握することです。
具体的な方法としては、Qoo10の検索窓に、販売したい商品の主要キーワード(例:「フライパン」)を入力します。表示された検索結果を「レビューが多い順」に並び替え、上位に表示されている商品、つまり多くのユーザーに購入されている商品をリストアップします。
次に、それぞれの競合商品の商品ページにアクセスし、レビューを「新着順」に並べ替えます。Qoo10のレビューは通常1ページに10件表示されるので、直近3ヶ月間に何ページ分のレビューが投稿されているかを確認し、総レビュー数を把握します。
「なぜ3ヶ月なのか?」という疑問を持たれた方もいるかもしれません。その理由は、Qoo10が四半期に一度開催する大型セール「メガ割」の存在を考慮するためです。3ヶ月間のレビュー数を把握することで、メガ割を含む期間における競合商品の売れ行きを推測し、市場の勢いを掴むことができるのです。
1.2 競合商品の売上規模を推定し、自社の売上目標を設定する
競合商品の直近3ヶ月の総レビュー数を把握したら、次は売上規模の推定を行います。一般的に、Qoo10で購入したユーザーがレビューを投稿する割合は約20~30%と言われています。カテゴリーによって変動するため、もう少し少ない率で保守的に見積もることも可能です。
したがって、「競合商品の3ヶ月の総レビュー数 ÷ 30%(または20%)」で、おおよその購入数を算出できます。さらに、この購入数に商品の販売価格を掛けることで、競合商品の直近3ヶ月の売上規模を推定することができます。
より正確な数値を把握したい場合は、競合商品の販売累計数と総レビュー数を確認し、実際のレビュー率を算出する方法も有効です。このレビュー率を用いることで、より精度の高い売上予測が可能になります。
競合の売上規模が明らかになったら、その情報をもとに、自社の参入余地や売上目標を具体的に検討していきます。
1.3 競合商品との差別化ポイントを明確にするチェックリストの作成
複数の競合商品をピックアップし、それぞれの強み・弱みを比較分析するためのチェックリストを作成しましょう。
チェック項目には、以下の要素を含めることが重要です。
- 販売総数: これまでの累積販売数
- レビュー総数: 顧客からの評価件数
- 検索時の表示順位: 特定キーワードによる検索結果での表示順位
- ランキング順位: 各カテゴリーにおけるランキングの順位
- 商品画像: 魅力的な画像が使用されているかどうか
- 商品説明: 詳細かつ分かりやすい説明がされているか
- 価格設定: 競合と比較して適切か
- 配送方法: 送料の有無 や配送スピード
- 顧客対応: レビューから見える顧客対応の質
成功している店舗は、これらの項目を徹底的に分析し、競合との差を明確にすることで、自社の商品や店舗の改善点を見出しています。
1.4 「小分類」までのカテゴリーランキングを細かくチェックする
Qoo10のランキングページは、売れ筋商品を把握するための貴重な情報源です。PC版では総合ランキングや大分類別のランキングが確認できますが、アプリ/モバイル版では、さらに細かな「小分類」までのランキングを確認することができます。
この小分類ランキングを確認するには、PCブラウザでQoo10のサイトを開き、F12キーを押してデベロッパーツールを起動します。表示された画面内のスマートフォンやタブレットのアイコンをクリックしてモバイル表示に切り替えます。
その後、カテゴリーを選択し、確認したいカテゴリーを中分類から小分類まで絞り込むことで、よりニッチな市場での売れ筋商品やライバルを確認することができます。小分類でランキング入りした場合も、その画面をキャプチャーし、自社の商品ページに掲載することも有効な施策です。
「〇〇カテゴリーで人気No.1!」といった訴求は、顧客の購買意欲を高める可能性があります。総合ランキングや大分類でのランクインでなくても、 「売れている感」を演出することはCVR(コンバージョン率)の向上に繋がると考えられます。
2.検索流入を最大化するための人気キーワードの選定
Qoo10においても、他のECモールと同様に、検索からの流入は非常に大きな割合を占めます。特に、出店したばかりのショップや、まだ集客施策が十分でないショップでは、検索流入が売上の大部分を占める傾向があります。
2.1 QSMを活用した検索ボリュームの把握
Qoo10の販売者管理ツールQSMを活用することで、ユーザーがどのようなキーワードで商品を検索しているのか、その検索ボリュームを把握することができます。
QSMにログイン後、「プロモーション」メニューから「プラス展示」を選択し、「キーワードを検索する」の項目に、販売する商品の主要キーワードを入力して検索します。これにより、そのキーワードの1日あたりの検索ボリュームを確認することができます。
この検索ボリュームの情報は、今後の検索連動型広告「キーワードプラス」を活用する際にも非常に有用です。キーワードプラス広告は、完全一致のキーワードだけでなく、関連性の高い複合キーワード(例:「カラコン」だけでなく「カラコン 安い」)で検索された際にも、広告が表示される仕組みです。
さらに、QSMの「人気キーワードを見る」をクリックすると、カテゴリーごとの人気キーワードと検索ボリュームの一覧を確認することができます。これらの情報を参考に、「商品名」や「検索ワード」などに適切なキーワードを盛り込むことで、検索結果からの露出を増やし、売上向上につなげることができます。
3.アプリ/モバイルファーストの視点に基づいた
店舗・商品ページの最適化
Qoo10の購買者のうち、97%以上がアプリやモバイルサイト経由で購入しているというデータがあります。この事実は、ショップ運営において、アプリ/モバイルでの表示を最優先に考えるべきであることを示唆しています。
先ほど、PC版のデベロッパーツールを使ってモバイル表示を確認する方法をご紹介しましたが 、日常的な店舗運営においても、常にモバイルでの見え方を意識することが重要です。アプリ/モバイルで表示される項目、視認性を追求することで、顧客体験が向上し、購入率のアップにつながります。
4.年間セールスケジュールを把握し、
周到な準備で爆発的な売上を狙う
Qoo10で売上を大きく伸ばすための最大のチャンスと言えるのが、年4回開催される大型セール「メガ割」をはじめとする各種セールイベントです。
過去のデータを見ても、メガ割期間中は通常の数倍の売上を記録するショップが多数存在します。現時点(2025年5月)では2025年の年間スケジュールは公式には発表されていませんが、過去の傾向からおおよその予測は可能です 。
例えば、2023年と2024年のスケジュールを比較すると、メガ割の開催時間帯やメガポの実施期間に若干の変更はあるものの、メガ割は年間4回、四半期に一度のペースで開催されるという大きな流れは変わっていません。
これらの大型セールに向けて、数週間、あるいは数ヶ月前から周到な準備を行うことが、売上最大化の鍵となります。
セールに向けて行うべき準備の例:
- 目玉商品の選定: セール期間中に最も売りたい商品を決定し、在庫を確保します。
- 特別価格の設定: 顧客にとって魅力的な割引率を設定します。
- ショップクーポン発行: メガ割期間中に利用できるお得なクーポンを発行します。
- 商品ページの最適化: 目玉商品の情報を分かりやすくアピールし、購入意欲を高めるコンテンツを作成します。
- 広告戦略: セール開始前から広告を活用し、ランキング入りを目指します。
売れているショップの売上推移を見ると、メガ割開催月に売上が大きく伸び、その勢いを維持し、メガ割のない通常月も前四半期と比べて売上のベースが高まっていることが分かります。
また、Qoo10では月初にセールが開催される傾向があるため、毎月のスタートダッシュも意識することが重要です。
まとめ
今回は、Qoo10での売上向上に不可欠な4つのポイントを紹介しました。まず、競合分析と市場調査を通じて売れる商品を見つけ出します。次に、QSMを活用して検索ボリュームを把握し、適切なキーワードを選定します。さらに、アプリ/モバイルファーストの視点で店舗や商品ページを最適化します。最後に、年間セールスケジュールを理解し、メガ割などの大型セールに向けた綿密な準備で売上を最大化します。
- 競合分析と市場調査を通じて、売れる商品を見つけ出す
- QSMを活用して検索ボリュームを把握し、適切なキーワードを選定する
- アプリ/モバイルファーストの視点で、店舗や商品ページを最適化する
- 年間セールスケジュールを理解し、メガ割などの大型セールに向けて綿密な準備を行う
これらのポイントをしっかりと理解し、日々のショップ運営に落とし込むことで、Qoo10でのビジネスは着実に成長していく と信じています。ぜひ、今日からこれらの視点を意識しながら 、ショップ運営に取り組んでみてください。