Qoo10で売上を伸ばすためには、シーズンごとに開催される「メガ割」などのセールイベントでの販売が重要です。しかし、配送遅延が原因で販売できないリスクがあることをご存知でしょうか?セール前に商品を準備しても、ペナルティにより販売できなくなり、機会損失を招く可能性があるのです。
この記事では、「配送遅延ペナルティ」について理解を深めたい方のために、その詳細とペナルティを防ぐ方法を詳しく解説します。
この記事で得られる情報
- 配送遅延ペナルティは、商品登録時に設定した「発送可能日」を過ぎてしまった注文に対して適用され、「メガ割」などのセールイベントで販売できなくなるリスクがあります。
- 「一般商品」は「入金日から5営業日以上経過&入金日基準の発送率が95%以下の場合」に販売停止、「予約商品」は「予約日から3日経過&予約日基準の発送率が95%以下の場合」に販売停止になります。
- ペナルティの回避には「発送可能日」の細かいチェック、「お客様都合」でのペナルティ発生時のQoo10への問い合わせ、「お届け希望日」の設定、長期休暇期間の予約状況の確認が重要です。
目次
1.「配送遅延ペナルティ」によって販売がストップ!?
下記の事例に一つでも該当した経験があれば、配送遅延ペナルティの対象になる可能性があります。
商品の発送時に遅延が生じることがある
セール時に注文が集中し、お客さまを待たせてしまうことがある
商品の「発送可能日」を細かくチェックしていない
特にセール時には注文が集中し、お客さまをお待たせするケースが多数発生しています。例えば、メガ割などのイベントに向けて商品を準備していても、注文の増加に伴い在庫が不足し、結果として発送が遅れ、お客さまに迷惑をかけてしまうこともあります。
また、商品に設定された発送可能日を十分にチェックしていないことも、配送遅延の原因になります。これらの点には適切な対策を講じることが大切です。
1.1 「配送遅延」と「配送遅延ペナルティ」
本題に入る前に、まずは「配送遅延」と「配送遅延ペナルティ」が意味するものが異なるという点を理解しましょう。
「配送遅延」とは、入力された「発送予定日」を過ぎてしまった注文のことを指します。「発送予定日」とは、お客さまからの注文を受けて、商品がいつ発送可能であるかをQSM(販売管理ツール)の管理画面上で設定する日付のことです。
その予定日を過ぎてしまった注文を「配送遅延」と呼んでいます。配送遅延が発生すると、ショップの承認なしにお客さまが自由に注文をキャンセルできるため、管理に注意が必要です。
次に、「配送遅延ペナルティ」について説明します。商品登録時に設定された発送可能日を過ぎてしまった注文に対して適用されるのが配送遅延ペナルティです。このペナルティの度合いは、遅れた日数に応じて変動します。
1.2 ペナルティは発送処理日をもとに判断
「配送遅延ペナルティ」は、商品を実際に発送し、追跡番号を入力して発送処理を完了した日付をもとに判断します。このペナルティは、「一般商品」と「予約商品」で適用されるタイミングが異なります。
「一般商品」とは、入金日から3営業日以内に発送できる商品のことで、入金日から5営業日が経過した注文がペナルティの対象です。一方、「予約商品」とは、Qoo10においては入金日から発送までに4日以上かかる商品を意味し、「予約日」から3日経過した時点でペナルティの対象と判断されます。
※出店時に「販売者タイプ」を「個人」と設定した場合、予約設定は行えません。予約設定をご希望の際は、権限申請ページから「予約発送使用」の権限申請をしてください。
以上のことから、下記のように配送管理ページの「配送遅延」に数字が表示されていたとしても、それがペナルティの対象になるとは限りません。
1.3 配送遅延ペナルティは「制限」段階になると販売停止
配送遅延ペナルティにはいくつかの段階が存在します。最初の段階は「注意」で、Qoo10から自動的にメールが送信されます。このメールは「商品を発送してください」と促す内容であり、発送可能日を過ぎる可能性の高い商品があることを伝えるためのものです。このメールを受け取ったら、できるだけ早く商品の発送を行うようにしてください。
メールを受信しても商品が発送されない場合は、「警告」の段階に進みます。この段階では「配送遅延ポイント」として、2点が月間の配送ポイントから差し引かれます。なお、月間の総配送ポイントがマイナスとなった場合、翌月に「販売者レベル」が下がります。従って、警告の段階に至らないようにしましょう。
3番目の段階は「制限」で、商品の販売が停止される可能性があります。商品に対して広告を使ってプロモーションを実施していた場合でも、販売停止と同時に中止されます。
1.4 「一般商品」は「入金日から5営業日以上経過&入金日基準発送率が95%以下」に販売停止
配送遅延ペナルティに関して、発送までの日数をカウントする方法が一般商品と予約商品で異なる点について具体的に説明します。
まず、下記の表の読み方についてです。一般商品の入金日を例えば月曜日としましょう。表の左上に赤文字で「入金日」と書かれた部分の隣にある「+1」「+2」そして赤文字で「+3」という数字は、入金日からの経過日数を示しています。
【一般商品】
一般商品の場合、土日祝日は入金日から発送日までの日数としてカウントされません。この表では「休日」として示されています。
ペナルティレベルで一段階目の「注意」は入金日から3日後(上記の例では木曜日)に「商品を発送してください」という内容のメールが配信されます。
次に、「警告」の段階があります。これは入金日から5営業日後(土日を除くので、上記の例では翌週の月曜日)に当たります。この時点で「配送遅延ポイント」として配送ポイントから-2点減点されます。配送遅延ポイントは、QSMの画面で「基本情報」→「マイレベル&ポイント」の順で進んでいくと確認できます。
最後に、翌週の火曜が「制限」の段階になり、商品の販売や広告を使ったプロモーションが停止される可能性があります。よって、月曜日に入金された受注商品については、土日を除いて翌週の月曜日までに必ず発送する必要があります。
そして、「入金日基準発送率が95%以下」の「入金日基準発送率」とは、入金日から3営業日以内に発送できた注文の割合を意味します。
例えば、Aの一般商品に100件の注文があり、そのうち94件が入金日から3営業日以内に発送されたとします。もし残りの6件が5営業日以内に発送されなかった場合、ペナルティ(制限)の対象となります。
これは、入金日から3営業日以内に発送された注文の割合が95%以下であること、および入金日から5営業日以上が経過しても発送されていない注文が存在するためです。
1.5 「予約商品」は「予約日から3日経過&予約日基準発送率が95%以下の場合」に販売停止
予約商品の場合、下記の表のように、まず「予約日」が基準です。予約日から日数をカウントします。例として、この表では予約日を月曜日として説明します。「+1」「+2」は予約日からの経過日数を指します。
予約商品の場合に気をつけたい点は、一般商品と違って、土日も日数としてカウントされることです。
例えば、発送可能日として設定された予約日(上記の例では月曜日)に発送が行われないと、「注意」としてその日に商品の発送を促すメールが届きます。そして3日後には「警告」として配送遅延ポイントが配送ポイントから-2点となり、4日後には「制限」として商品の販売とプロモーションが停止される可能性があります。
また、「予約日基準発送率が95%以下」の「予約日基準発送率」とは、商品登録時に設定した発送可能日以内に発送できた注文の割合を意味します。
例えば、Bの予約商品に100件の注文があり、そのうち94件が発送可能日以内に発送されたとします。もし残りの6件が発送可能日から4日以内に発送されなかった場合、ペナルティ(制限)の対象となります。
これは、発送可能日以内に発送された注文の割合が95%以下であること、および発送可能日から4日以上が経過しても発送されていない注文が存在するためです。
1.6 販売制限の解除は適用から31日後
ペナルティで「制限」になった場合の販売制限(販売停止)が解除されるのは31日後、つまり1ヶ月後です。例えば、4月25日に販売制限がかかった場合、制限解除は5月26日です。そのため、1ヶ月間はその商品の販売ができません。機会損失を防ぐためにもこの配送遅延ペナルティには十分注意してください。
2.配送遅延ペナルティの回避方法
配送ペナルティのルールを把握した上で、ペナルティを防ぐために注文をどのように管理するかを次に説明します。
2.1 「発送可能日」を細かくチェック
前述のように、一般商品は営業日数でカウントし、予約商品は土日祝日を含む日数でカウントします。この点を忘れないようにしましょう。
一般商品の発送は3営業日以内です。例えば下記のカレンダーのように、金曜日の7日に注文が入って入金があった場合、土日を除いた3営業日後の12日までに商品を発送しなければなりません。
QSMの管理画面でリードタイムをチェックしたい場合には、配送管理画面にアクセスし、「配送要請(詳細を見る)」をクリックして「新規注文」を確認してください。
注文リストが表示されたら、「グリッドの設定」を行います。この設定をクリックすると、追加したい情報を入力できます。下にスクロールして「発送開始日」を選択し、グリッドに適用してください。これにより、発送開始日が表示されます。
予約商品はこの方法で管理してください。一般商品の場合、発送開始日が表示されないため、自身で加算した3営業日後の日付で管理を行う必要があります。
管理方法としては、発送開始日が記載されている注文の中で、日付が最も早いものから順に発送してください。このように管理することで、ペナルティ対象になることを避けることができます。
2.2 「お客様都合」でペナルティ対象になった場合は申告
お客さまが商品を注文後に「やっぱりいらない」とキャンセルするケースがあります。しかし、お客さまが購入履歴から「キャンセル要請」ボタンを押さないことで、キャンセル完了までに時間が経過し、その結果として配送遅延ペナルティが発生してしまうケースもあります。
その他にも、配送先の住所の番地が抜けている、あるいはアパート名はあるけれども部屋番号が書かれていないなど、発送前にお客さまに確認や連絡を取る必要がある場合もあります。その返答を待っている間に商品の発送ができず、ペナルティ対象になってしまうケースも過去にありました。
このような理由であっても、配送準備日としてカウントはされてしまいます。「お客様都合」によりペナルティが発生してしまっても、ショップ側で解除はできませんので、Qoo10へ問い合わせをして解除の依頼をする必要があります。
QSMの一番上にある「Qoo10へお問い合わせ」をクリックして、「お客様都合」で配送遅延ペナルティが発生したことを、注文番号を記載の上、ご連絡ください。
2.3 「お届け希望日」の設定
「お届け希望日」の設定をすることによってペナルティ対象にならないケースがあります。「送料管理」メニューや商品登録時の「商品情報」項目で追加設定が可能です。入金日から特定の日数以降の日付で設定ができるようになっています。
この設定をしておくと、お客さまが商品を注文する際にお届け希望日時を選択でき、日付や時間帯を指定することができます。このように設定された商品であれば、元々の発送可能日を超えてしまっても問題ありません。お客さまがお届け希望日を選択していれば、配送ペナルティの対象にはなりません。
ただし、お客さまが備考欄に希望する配達日を記載し、その日に商品を配達した場合でも、ショップが設定した発送可能日を超えていると、ペナルティ対象となります。下記のようにお客さまがお届け希望日を選択せずに、例えば「5/10お届け希望」と備考欄に記入した場合も、ペナルティ対象になってしまう点にご注意ください。
2.4 年末年始・GW・お盆期間は予約状況確認
年末年始、ゴールデンウィーク、お盆期間中は予約状況を確認してください。これらの長期休暇期間は、基本的に営業日としてカウントされないため、予約設定を見直したほうが良い場合があります。
例えば、8月11日から16日のお盆期間は、一般商品の場合は入金から発送までの日数がカウントされないことがあります。しかし、予約商品の場合(例えば)発送可能日を入金から5日後に設定していると、8月10日の注文は、お盆期間の日数もカウントされ、15日に発送する必要があります。もしこの期間に発送作業ができずに遅れると、ペナルティの対象になります。
では、どうしたらよいかというと、この商品を予約商品から一般商品に切り替える方が良いでしょう。一般商品は、長期休暇中は土日祝日と同様に営業日として扱われず、休み明けから日数のカウントがスタートします。
年末年始などの長期休暇には、予約商品で設定可能な「最大14日」の設定も良いですが、休み明けから日数のカウントが始まるため、注文が入っている商品を休み明けから3日程度で発送できる場合は、一般販売に切り替えるのが適切です。日数をカウントされない長期休暇期間は、事前にQSMのお知らせで告知されるので、必ずチェックしてください。
おわりに
配送遅延ペナルティはQoo10での販売において重要な要素であり、これを避けるための適切な管理と準備が不可欠です。この記事では、配送遅延ペナルティの原因となる様々なケースとその回避方法を詳しく解説しました。
特に、商品の発送可能日のチェック方法や長期休暇期間中の予約状況の確認など、注意が必要であることを強調しました。発送期限のカウント方法や適切な対応をチェックすることで、ペナルティのリスクを低減し、売上機会を最大限に活用することができます。これらのルールをしっかり理解し、Qoo10での販売活動をより効果的に行いましょう。