以前は売れていたあの商品が最近はあまり売れないと感じることはありませんか?以前よりも売れないのには原因があり、その原因に合った対策を行うことで売れ行きは変わってきます。
どうやって原因を特定すればいいのかお悩みの方に、今回は分析ツール「Qoo10 Analytics」や販売管理ツール「QSM」を使った分析方法を詳しく解説します。
この記事で得られる情報
- 「Qoo10 Analytics」や「QSM」を用いた過去の売れ筋商品の分析、商品ごとの転換率、競合商品との比較、広告経由のトラフィック分析を行い、売上向上につなげます。
- 繁盛店は広告や割引を活用しつつ、「メイン画像」や「検索ワード」の最適化など、広告以外の施策を徹底的に工夫し、「SEO対策によるトラフィック数」「ランキング」「フォロワー数」などの指標を重視しています。
- 競合商品を分析し、価格やプロモーションの比較を通じて自社商品の差別化ポイントを明確にします。
目次
1.売上を伸ばすために把握すること
1.1 売上が伸びるサイクル
売上を伸ばす仕組みとして、販売する商品を登録後、まずは閲覧数を増やすことに注力します。次に転換率を高める対策を行い、販売数を増やします。
販売数が増えることで、検索時の表示順位が上がり、結果としてランキングに掲載される可能性が高まります。ランキングに入った実績を商品ページに掲載することで、閲覧数が増え転換率が上がります。このサイクルを迅速に回すと売上が伸びることを繁盛店は把握しています。
1.2 有効な施策の全体像
売上を伸ばすためには、さまざまな有効施策がありますが、まずは全体像を把握することが重要です。上の図は、広告の使用有無や割引の適用有無に基づいて区分けしたものです。
トラフィック数の増加には、商品に合った広告を活用することが大切ですが、繁盛店では、「メイン画像」(検索時やランキング掲載時に表示される1枚目の画像)の選定や「検索ワード」の最適化など、広告や割引に頼らない施策にも力を入れることで、広告の費用対効果を上げています。
1.3 広告費率を下げるために意識する指標
成功している多くのショップは、広告費率を下げるために、広告を使わないわけではなく、効果的に広告を活用して売上を伸ばしつつ、広告以外の指標も伸ばすことを強く意識して運営しています。
例えば、「キーワードプラス」や「パワーランクアップ」などの検索系の広告経由ではなく、SEO対策によって上位表示された商品からのトラフィック数やランキングに載った商品によるトラフィック数、そしてショップをお気に入りに登録してくださるお客さま(フォロワー)の数などの指標を重視して運営しています。
さて、ここからは繁盛店が、どのように分析ツールや販売管理ツールを活用しているのか具体的に解説します。
2.売上につなげるために分析すること
2.1 過去に売れた商品
過去に売れた商品のデータを確認するには、販売管理ツール「QSM」のメニューから「Analytics」を選択し、「Qoo10 Analytics」を開きます。
Qoo10 Analyticsのメニュー内で「受注状況」をクリックし、確認したい期間をカレンダーで選んでください。過去のデータは、2年前の同月の1日から参照できます。希望する期間を設定し、「適用」ボタンを押してください。ショップ全体の実績はもちろん、「商品別」のタグを選択することで、個々の商品の実績も確認することができます。
表示された商品番号をクリックすると、その商品の「メイン画像」や「販売価格」を確認できます。この情報を利用して、前年同期の商品別の受注金額を参考に仕入れの計画を立てたり、広告予算の配分を検討したりするのに役立てましょう。
2.2 転換率の高い商品
過去の売れ筋商品を把握したら、次にその商品の転換率(コンバージョン率)をチェックします。現在の売上が以前よりも低下している場合、その原因が閲覧数の減少にあるのか、それとも転換率の低下にあるのかを理解することで、適切な対策を講じることができます。
商品の転換率を確認する手順は次の通りです。Qoo10 Analytics内の「トラフィック/コンバージョン」メニューにアクセスし、確認したい期間を選択します。その後、「商品番号」ボタンをクリックし、表示される入力ボックスにチェックしたい商品番号を入力して、「入力完了」ボタンを押し、最後に「適用」ボタンをクリックします。
選択した期間における日別のコンバージョン率を見ることが可能です。さらに、「タイムセール」や「ランキング」などを通じて商品ページにどれだけのトラフィックがあったのかも確認できるため、これらの情報を利用して現状との差異を把握することができます。
ただし、複数の商品番号を一度に入力すると、個々の商品の転換率は見られないため、複数の商品を確認したい場合は、それぞれに対して上記の手順を繰り返す必要があります。
販売している商品数が多いショップの場合、商品ごとの転換率をもっと簡単に確認したいと思う方も多いでしょう。
QSMの「商品の照会/修正」メニューにアクセスし、「検索」ボタンをクリックすることで、「今日」「昨日」「先週」といった短期間での「販売数」と「PV」を商品毎に一覧で見ることができます。Qoo10 Analyticsが前日までのデータを表示するのに対し、こちらでは当日のデータを確認することができます。
例えば、上記の例における商品Aと商品Bが先週それぞれ71件と60件を販売したとします。販売数だけを見れば、二つの商品の間には大きな差はありませんが、PV数を比較すると顕著な差があり、これが転換率の違いを示しています。このようなデータを把握することで、各商品に対してより効果的な対策を講じやすくなります。
2.3 競合商品
閲覧数や転換率を向上させるためには、競合する商品を正確に理解し、それに基づいた対策を立てることが不可欠です。
まず、Qoo10のサイトで自分が販売している商品に関連するキーワードで検索を行い「ランキング順」に並び替えてください。検索結果の上位にある商品が常に売れているわけではなく、中には広告を利用して表示位置を上げている商品もあることを認識してください。特に、キーワードプラスを用いると最大16個の商品が上位に表示されます。
検索結果をランキング順に並べた後、いくつかの競合商品を選び出し、価格や割引の有無、「Shopクーポン」の提供状況、送料、配送方法など、上の図に示されたチェック項目を基に詳細な比較と分析を行ってください。
チェックリストを作成することで、自社商品の長所と短所、競合商品との差異をはっきりさせることができますので、この方法をぜひ試してみてください。
2.4 広告経由のトラフィック
商品の転換率を改善した後、トラフィックを増加させるには適切な広告の使用が有効です。各商品に対して広告を通じたトラフィックをチェックしましょう。
チェックするには、Qoo10 Analyticsで「トラフィック/コンバージョン」を選択し、期間を設定して「適用」ボタンをクリックします。次に、商品別のタグを選び、「検索結果とプロモーションページの経路を詳細表示」のオプションにチェックを入れます。
これにより、「キーワードプラス」「パワーランクアップ」「スマートセールス」といった検索系の広告経由のトラフィックがどの程度あるかを確認できます。さらに、「タイムセール」や「今日の特価」といった特集ページに掲載された広告経由のトラフィックも確認可能です。
これらのデータをもとに、各商品に適用する広告を選定し、広告の変更や継続の決定を行ってください。
おわりに
本記事では、「分析ツール完全活用ガイド!繁盛店が使う手順を公開」というテーマで、成功しているショップが日常的に使用している分析ツールや販売管理ツールの項目とその活用法について解説しました。
売上を大幅に増加させるための第一歩は、現在の問題点を数値で理解し、それに基づいた適切な対策を講じることです。もし今まで十分に活用できていなかった項目があれば、本記事を参考にして積極的に使ってみてください。