【Innovine korea】 韓国の中小ブランドが2億円を売り上げた成功の秘密

韓国で認知度の低いブランドでも、日本のオンライン市場では十分に競争力を発揮できます。イノバインコリアはQoo10に出店後、年間売上2億円規模まで成長を遂げ、新たにローンチしたヘアブランド「moev」をカテゴリーランキング1位に押し上げました。 イノバインコリアは、ダイエット健康食品ブランド「Boratalks」、ヘア専門ブランド「moev」などを中心に、急速に変化する市場トレンドに合わせて顧客のニーズに応える商品をスピーディーに展開しています。 本記事ではイノバインコリアのユン・ソンファンマネージャー、谷頭 紀美マネージャーに、同社の急成長の秘訣について詳しくお伺いしました。

目次

  1. Qoo10は韓国の隠れた逸品が輝く場所
  2. 日本の顧客を惹きつけるインフルエンサーマーケティングの力
  3. 売上を大きく左右する文化の違いを理解する
  4. 見逃せない!メガ割戦略の成功ポイント
  5. 成功のための長期的視点と実践的アドバイス

Qoo10は韓国の隠れた逸品が輝く場所

― Qoo10に出店したきっかけは何ですか?

出店当時、競合ブランドはすでにQoo10で好調な成果を上げていました。なかでも、韓国国内での認知度が低いブランドであっても高い販売実績を記録し、上位を占めている状況を目の当たりにし、自信を深めることができました。

さらに、Qoo10は韓国ブランド向けに翻訳サービスを提供しており、これを活用することで、日本市場への進出をより迅速かつスムーズに実現することができました。

―現在Qoo10での売上状況はいかがでしょうか?

年間売上は2億円に達し、急速な成長を遂げています。なかでも新たに立ち上げたヘアブランド「moev」は、カテゴリーランキングで1位を獲得し、ブランドのポテンシャルを証明しました。
 
現在は、日本の他のプラットフォームにも展開していますが、最も高い売上を記録しているのはQoo10です。その背景には、当社の主要顧客層である美容意識の高い若年層女性が、Qoo10に最も多く集まっていることがあります。加えて、日本の消費者の間には「韓国商品はQoo10で購入する」という認識が広く定着しており、「メガポ」や「メガ割」といった定期的なセールイベントを通じて、顧客が習慣的に訪れる環境が形成されています。
 
こうした特性を踏まえ、インフルエンサーとの協業においても、広告や投稿のリンク先をQoo10のランディングページに設定するなど、プラットフォームを活用してブランド認知度の向上に取り組んでいます。

日本の顧客を惹きつけるインフルエンサーマーケティングの力

―出店後、急速な成長を遂げられた秘訣は何ですか?

日本の消費者は信頼性を重視し、購入に対して慎重な傾向があるため、信頼できるインフルエンサーとの協業は極めて重要です。実際、インフルエンサーマーケティングは購入転換率が10〜20%に達することもあり、売上に大きく貢献します。

当社が初めて「ナインビューティ」というインフルエンサーと協業した際には、売上が急伸しました。特に、彼女との取り組みで「グルタシカ」のシミクリームが高い成果を収めたことを契機に、インフルエンサーとの共同開発を本格的に展開しました。その結果、日本限定で発売した「グルタチオンマスクパック」は、2024年2月のメガポ期間中に総合ランキングトップ10を維持するという顕著な成果を記録しました。この成功は、他のインフルエンサーや日本の実店舗販売の関係者からも大きな注目を集めるきっかけとなりました。

さらに最近では、12万人のフォロワーを持つインフルエンサー「ぎょうざのりさ」との協業で大きな反響を得ています。2025年5月の日本市場拡大のための博覧会で、彼女にMOEV、Boratalksの商品を直接紹介する機会がありました。その後、彼女はサンプル商品を実際に使ってみて品質に満足し、自発的にSNSで推薦投稿をアップし、そのうち数件は200万回を超える閲覧数を記録しました。これが6月のメガ割での売上急上昇に決定的な役割を果たしました。

インフルエンサーと協業する際の特別なノウハウはありますか?

インフルエンサーも一人の顧客と捉え、信頼関係を築きながら長期的な協力体制を構築することを重視しています。各ブランドごとに主力インフルエンサーを置きつつ、同時に多様なミドルインフルエンサーと協業することで相乗効果を生み出しています。

インフルエンサーとの協業で留意すべき点として、商品レビューが十分に蓄積されていない場合、期待した効果が得られにくいことが挙げられます。レビューは商品の信頼性を裏付ける要素となるため、当社はローンチ初期から顧客レビューの確保に集中しました。

そして、Qoo10内の「タイムセール」や「掘り出し物」といった掲載型プロモーションと、破格的な割引政策を並行して行い、多くのお客さまに直接製品を体験していただけるようにしました。これにより、認知度とレビューを迅速に蓄積することができ、その後のインフルエンサー協業の効果も一層最大化されました。

―競合ブランドとの差別化を図る特別な戦略はありますか?

当社は「BORATALKS」「moev」「prumwellness」「Dr.Viuum」など、複数のブランドを1つのセラーショップで販売することで、以下のような利点を得ています。

第一に、物流コストを抑えられる点です。海外配送では配送料の負担が大きくなりがちですが、当社は取り扱う商品の幅を広げて貨物量を増やすことで、配送会社との交渉によって配送料を削減しました。節約したコストは顧客への割引特典に還元し、競争力を高めています。

第二に、多様な商品ラインナップによって幅広い顧客層をカバーできる点です。さらに、異なる商品を組み合わせて販売するクロスセルを活用することで、客単価の向上やリピート率の増加につなげています。

例えば、当社ショップの人気商品の一つであるprumwellnessのダイエット酵素は、他の商品を購入するお客さまに無料でプレゼントとして提供しています。これにより、お客さまが自然に製品を体験し、効果を実感することで再購入につながり、特別な広告なしでも売上上昇につながっています。

ブランド間の相乗効果を最大化するため、直接的な関連性が低い商品であっても、おまけとして一緒に提供する戦略を通じて、お客さまに両ブランドを体験していただくよう誘導しています。このような戦略を通じて、ショップ全体の売上向上効果を得ています。

売上を大きく左右する文化の違いを理解する

―リピート顧客を増やすための秘訣はありますか?

当社は何よりも顧客体験を最優先に考えています。積極的な特典提供に加え、カスタマーサービスの強化にも注力しています。

海外配送の過程で発生する破損トラブルなど、責任の所在が不明確なケースにおいても、お客さまにご満足いただけるよう、新品の再送や十分な特典で補償を行っています。さらに、自然に再購入につながるよう、利用条件を設けない補償クーポンも提供しています。こうした前向きな対応により、苦情を寄せたお客さまが、かえって当社のロイヤル顧客へと転換するケースも数多く生まれています。

―商品ページを作成する際に最も重要視している点は何ですか?

翻訳においては正確さだけでなく、文化的な違いを反映することが非常に重要です。韓国語を直訳しただけでは、日本のお客さまに正しく伝わらないケースが少なくありません。

日本市場では、単語一つの違いでも顧客の認識に大きな影響を与えます。当社は、現地の顧客の言語感覚を反映し、日本人が自然に受け入れられる表現で商品ページを制作しています。

例えば、BORATALKSの「Sコーヒー」は、もともと韓国では「サルペラカーノ」という名称で販売されていました。これは「ダイエット」「アメリカーノ」、さらに「方言」を掛け合わせた韓国語独特の表現で、日本市場では意味が伝わりづらく課題がありました。そこで、日本のダイエットコーヒー市場のネーミング方式を参考にし、「Sコーヒー」として現地化した結果、お客さまにはるかに親しみやすく感じていただけました。

このように、日本市場に合わせた文化的な配慮は難しい部分もありますが、大きな成果の差につながるため欠かせないポイントです。

また、日本の顧客は具体的で詳細な情報を好みます。そのため、主要商品ページの下部には全ての成分を漏れなく表記し、上部には実際の顧客の使用レビューを配置して、商品に対する信頼度を高めています。日本では、詳細な情報と経験に基づいたレビューが購買転換率に大きな影響を与えるため、この点を最も重要視して運営しています。

見逃せない!メガ割戦略の成功ポイント

―メガ割をどのように活用し、どのような戦略が効果的でしたか?

メガ割期間中は、ショップへの流入数が通常の6倍以上に増加し、売上も8~9倍に拡大します。13日間にわたるメガ割の中でも、特に初日から3日目までの序盤と最終日が重要です。初日にランキング入りした商品やメガ割開始後早い段階でランキングに入った商品は、最終日まで上位ランキングを維持するケースが多いです。そのため、当社では初日から外部トラフィックをQoo10へ集中させる戦略を取っています。

さらに、販売管理ツール「JQSM」の「クーポンPUSH」(ショップのフォロワーにアプリ通知やメールでクーポンを配布できる機能)を積極的に活用し、顧客流入を最大化してランキング上位を狙います。

メガ割で購入した顧客は次回のセールでも再訪する傾向があるため、クーポンPUSHによってリピート率の向上を図っています。特にトラフィックを集中させるため、メガ割初日にクーポンPushを発行します。通常メガ割は午後5時に始まりますが、当社は夕食の時間に合わせてクーポンを発送することで、接続の混雑を避けつつも、顧客に効果的に届くようにしています。

そのほか、競合他社のメガ割戦略も積極的にモニタリングしています。メガ割のランキングページはイベント期間中のみ公開されるため、終了前にキャプチャを保存し、新規参入ブランドや商品構成、サムネイル画像や商品詳細ページの制作手法を分析しています。さらに、どのインフルエンサーと協業しているか、SNS投稿の頻度はどうかといった点まで詳細に確認し、自社戦略に反映させています。

徹底した準備と分析を通じて、メガ割は単なる売上拡大を超え、ブランド認知度を短期間で引き上げることができる重要な転換点の役割をしています。

―メガポはどのように活用されていますか?

メガポはメガ割の売上をさらに引き上げるための準備段階として活用しています。新製品を発売した際、すぐにメガ割に移行するのではなく、メガポ期間中に多様な商品構成と割引特典を提供しながら顧客の反応を確認し、その結果を基に商品を改善し、戦略を立てています。

インフルエンサーとの協業についても、まずはメガポで実施し、成果が高かったインフルエンサーとはメガ割でも協業を続け、相乗効果を最大化しています。

さらに、外部SNS広告においても、メガポの段階でさまざまな画像や動画素材をテストし、最も反応の良かった素材をメガ割期間に集中的に投入し、効率を高めています。

― 広告はどのように活用されていますか?

当社では広告効率を示す指標「ROAS」の目標を300〜400%に設定し、運用を行っています。Qoo10が提供する広告を多様に試した結果、特に効果が高かったのは「ディールプラス」「キーワードプラス」「タイムセール」の3種類でした。

ディールプラスはカテゴリー別に広告費の差が大きいため、食品カテゴリーのように費用が高い領域はメガ割やメガポといったイベント期間に集中活用し、生活カテゴリーのように費用が合理的な領域は常時的に運営しています。

キーワードプラスは、カテゴリーごとに手動で入札設定を行う必要があるため手間はかかりますが、比較的低コストでも高い広告効果を得られるというメリットがあります。

タイムセールは、売上実績によって露出順位が決まる仕組みのため、販売数の多い商品ほど高い成果を上げやすい特徴があります。そのため、当社では販売量が多いショップの主力商品を対象にタイムセールプレミアムを積極的に活用しています。

成功のための長期的視点と実践的アドバイス

―今後Qoo10でどのような目標をお持ちですか?

日本市場は、ビューティーやダイエットのようなビューティー関係カテゴリーにおいて、韓国以上の成長ポテンシャルがあると考えています。現状、Qoo10では生活用品カテゴリーの競争力がやや弱い一方で、美白歯磨き粉のようなビューティ関連商品は非常に伸びており、将来性があると判断しています。

現在、当社の主力商品であるmoevのヘアケアシャンプー、Boratalksのダイエットコーヒー、Dr.Viuumの美白歯磨き粉を、Qoo10でさらに成長させることを目指しています。同時に、新製品の開発と商品ラインの拡充を積極的に進め、日本市場における存在感を一層強化していくことが当社の目標です。

―Qoo10に出店しようとしている販売者へのアドバイスをお願いします。

Qoo10は無料で簡単に出店を始められるため、気軽に参入するケースが多く見られます。しかし、出店後1〜3カ月は準備期間と位置づけ、本格的に売上が伸び始めるのは6カ月以降だと考えるべきでしょう。

出店後の3カ月間はランキングを確認しながらトレンドを把握し、他ブランドをモニタリングしてベンチマークする期間が必要です。さらに、Qoo10には多様な内部広告が用意されているため、複数の広告をテストしながら自社商品に最適な手法を見つけることが重要です。本格的な売上は出店後2回目のメガ割から始まるという長期的な視点で取り組むことを推奨します。

また、メガ割の影響力が非常に大きいため、イベント期間だけに注力し、非イベント期間の運営を軽視する販売者も少なくありません。しかし、売上を効率的に伸ばすには、むしろ非イベント期間の活用が重要です。

この期間は比較的少ない売上でも総合ランキングに入ることが可能で、上位入りすれば商品の認知度向上につながります。さらに、そのランキング実績をマーケティングの材料として活用することで、メガ割時に一層の売上拡大を狙うことができます。