目次
- Qoo10に出店し日本市場に初挑戦
- インフルエンサーとのコラボレーションによるバイラルマーケティングの重要性
- キーワードを徹底的に分析し、検索型広告を効果的に活用する
- 顧客の声を取り入れてブランドイメージを向上
- 新たなインフルエンサー施策で総合ラインキング1位を目指す
Qoo10に出店し日本市場に初挑戦
― クァンドン生活健康が日本市場に参入を決めたきっかけは何ですか?
クァンドン生活健康は、韓国の健康機能食品市場でしっかりとした基盤を築いた後、2023年8月のQoo10への出店を皮切りに日本市場に進出しました。海外市場の拡大を検討する中で、日本市場は韓国と消費者の好みが似ており、最も早く競争力を発揮できると判断し、進出を決定しました。
私は以前、健康機能食品ブランドの海外マーケティングを担当し、Qoo10を含む日本国内のさまざまなECプラットフォームでの販売経験がありました。Qoo10は他のプラットフォームと比べて直観的なインターフェースと韓国語サポートを提供しており、出店手続きだけでなく、ショップ運営もしやすいことをよく知っていたので、最初に選びました。Qoo10での販売経験を活かし、現在は、日本国内の他のプラットフォームへの出店も準備中です。
インフルエンサーとのコラボレーションによる
バイラルマーケティングの重要性
― 日本市場への参入初期にブランドを広めるために、どのような戦略を採用しましたか?
初期段階では、バイラルマーケティングとインフルエンサーとの協業を中心にブランド認知度を向上させる戦略を採用しました。特に、Qoo10の内部広告である「タイムセール」を積極的に活用し、顧客の関心を集め、ランキングを高めることに集中しました。
インフルエンサーとの協業においては、フォロワー数よりもファン層の深さを重視しました。 10万人のフォロワーを持つインフルエンサーよりも、ファンと頻繁に、自由に交流する1万人のフォロワーを持つインフルエンサーのほうが、より強力な影響力を持つと判断し、この基準で協業を進めました。
結果として、ナノインフルエンサー(フォロワー数が1000人~1万人)とともに成長することを目指し、商品を無料で提供してバイラル効果を狙いました。これにより、ブランドが自然と口コミで広がり、ブランド認知度を効果的に高めることができました。
― インフルエンサーを選定する基準はありますか?
現在、日本市場に関する業務は、私とグローバル事業チームのメンバーで進めています。 チームメンバーは日本の文化に合ったインフルエンサーを探し、私はライバル会社のプロモーションを分析しながら、ビューティーカテゴリーで活動するインフルエンサーを重点的に探しています。
特に日本では、健康機能食品を「活力」よりは「美容」目的の製品と認識される傾向があるため、インナービューティーに特化したビューティーインフルエンサーとの協業を積極的に進めています。 私とチームメンバーがそれぞれ異なる基準でインフルエンサーを選定することで、より多様な観点から適したインフルエンサーを見つけることができると考えています。
インフルエンサーを選ぶ際には、投稿の「いいね」の数より「コメントの数」と「コメントの質」を重視しています。 実際に顧客と交流するインフルエンサーの方が、より強い影響力を持つと考えおり、コメントを通じて顧客の反応や参加度を見極めています。
また、日本では、インフルエンサーと「DM(Direct Message)」で直接コミュニケーションする文化が自然に根付いています。私も興味のあるインフルエンサーをフォローし、彼女らのストーリーや投稿を継続的にモニタリングしています。その中から製品を体験する機会を提供したり、バイラル効果を期待して協業を進めたりしています。
キーワードを徹底的に分析し、検索型広告を効果的に活用する
― 「メガ割」で売上が急増した秘訣は何ですか?
メガ割で良い成果を上げるために、Qoo10への出店後、年内のメガ割で最大限に売上を増やすことを目標に徹底的に準備を行いました。まず、出店後に最初に参加したメガ割では、全体の流れを把握した上で、本格的にインフルエンサーやマーケティングなどの広告戦略を策定しました。
特に2度目のメガ割に向けて、日本の有名なインフルエンサーと協業し「Vita500」などの製品を紹介し、ブランド認知度を大幅に向上させました。また、同時期にQoo10のライブショッピングを実施し、ブランドの広報効果を最大化することができました。
さらにQoo10の「タイムセール」や「キーワードプラス」も集中的に運用しました。 初期段階では内部広告を積極的に活用し、製品の露出を最大化することに注力しました。特にQoo10担当営業からの提案を受け、タイムセールを活用して消費者に効果的に製品を露出することができました。
キーワードプラスに関しては、日本の消費者が検索しそうな多様なキーワードを分析して進めました。 最初は競争が激しい高価ないキーワードよりも、比較的安価で細分化されたキーワードを活用して流入を増やす戦略を採用しました。キーワードを選定する際には、Qoo10が提供するデータだけでなく、日本国内のさまざまなコミュニティやポータルサイトで人気のキーワードを分析し、最適なキーワードを導き出しています。
― 売上を最大化するために、プロモーションで最も重視すべき点は何ですか?
売上を最大化するためには、セット商品の販売と販売戦略が鍵となります。 例えば、「ビタ500スティック」は初心者向けの商品ですが、単品販売だと送料などで利益がほとんど残らないことが多いです。 これを解決するために、マルチビタミンやコラーゲン、キキョウスティックなどと組み合わせたセット商品を販売したところ、顧客から非常に好評を得ました。
また、価格帯の高い商品を購入すると追加割引を提供する「ショップクーポン」も一緒に活用しています。これにより、一度に複数の商品を購入する顧客が増え、レビュー数や信頼度が向上し、ブランド認知度も上がりました。
シーズンごとにオーダーメイドの商品をつくることも重要な戦略です。 例えば、冬場には乾燥対策としてセラミドやビタミン、グルタチオンなどの成分を含む商品をおすすめしています。こうした企画商品を準備する際は、まず独自のテストを行い、インフルエンサーとの協業も3~6ヶ月以上の製品テストを経てから進めると効果的です。 特に日本のインフルエンサーは、実際に商品を体験してから協力する場合が多いので、それに合わせたアプローチが必要です。
「美減茶」という商品の場合は、日本の食習慣を分析し、日本市場向けに発売したものです。 日本人が醤油ベースの食事を多く摂る食文化を考慮し、むくみ緩和や血行促進に役立つ成分を強調した結果、良い反応を得ました。 この商品は発売から6ヶ月で1万個が売れ、現在3回目の追加生産が進行中で、非常に好調に売れています。
顧客の声を取り入れてブランドイメージを向上
― 日本のお客様のレビューの中で、特に印象深く、重要だと感じたフィードバックはありますか?
私は、Qoo10内の商品レビューだけでなく、「リップス(LIPS)」など主要な日本のコミュニティで製品名を検索し、毎日お客様の意見を確認しています。 これにより韓国と日本の消費者の製品に対する認識の違いを発見することがよくあります。 例えば、韓国では「ビタミンC」を活力とエネルギーのために摂取するのに対し、日本では主に美白目的で摂取するということをお客様のレビューから知りました。
また、「クァンドン生活健康製品」は販売量に対して自発的なレビューが着実に増えています。 特にレビューを増やすための施策を行っていないにもかかわらず、多くのお客様がレビューを投稿してくださいます。私はこれらのレビューを分析して、広告文を作成する際に積極的に活用しています。
韓国で「広東」ブランドは漢方薬品のイメージが強く、伝統的で慎重な印象を与えます。しかしQoo10の主な顧客層である20代から30代の若い世代は、美容に関連した健康機能食品を好む傾向があります。そこで日本市場では韓国とは違う方向でクァンドン生活健康のブランドコンセプトを確立しようとしました。
出店当初はシンプルなキャッチコピーを使っていましたが、お客様のレビューで「おいしい」「親切」「かわいい」などのキーワードを見つけ、それを反映して「美味しく、楽しく、元気な毎日を」というキャッチコピーを作成しました。 このキャッチコピーをショップページにも取り入れたことで、ブランドイメージがより身近で親しみやすいものに変わったと感じています。
― お客さまのために追加で行っているマーケティング施策はありますか?
弊社では、商品をお客様にお届けする際に、日本語で作成されたリーフレットを同封しています。 リーフレットには製品の詳細情報と摂取方法が記載されおり、お客様からの問い合わせが減少しました。特に多くのお客様から「リーフレットがかわいい」との評価をいただいており、日本語での情報提供がより大きな親近感を与えていると感じています。こうした細かな工夫が長期的な顧客関係を築く上で重要な役割を果たしています。
また、顧客がよく使うキーワードとQoo10が提供する「人気キーワード」を組み合わせて、SNSに投稿を行っています。 「#おいしいお菓子」「#毎日食べられる」「#おいしく簡単に摂取しよう」といったハッシュタグを活用し、自然にブランドをお客様にアピールしています。
実際の顧客レビューを見ると、商品の満足度が非常に高く、「おいしく、着実に摂取できる製品」という私たちのキャッチフレーズがしっかりと伝わっていることがわかります。また、製品に興味を持つ消費者に対して、丁寧で親切な対応を心掛けた結果、顧客の間で「心優しいクァンドンさん」という愛称までいただき、ブランドのファンと呼べる顧客が着実に増えています。
新たなインフルエンサー施策で総合ラインキング1位を目指す
― Qoo10で売上を伸ばしたいと悩んでいる販売者の皆さんに、アドバイスをお願いします。
まず、製品が持つ魅力を深く分析して、日本の消費者にどのポイントが最も響くのかを考えてみることをお勧めします。 この過程で大切なのは、実際の顧客の声を聞くことです。 SNSやレビューを通じて、顧客が製品についてどのように感じているかを把握し、そのフィードバックをマーケティングに活かしてみてください。
製品について知っているだけでは不十分かもしれません。 顧客のレビューを細かくチェックし、何を重要視しているのか、どのように感じているのかを理解することが欠かせません。
また、マーケティング施策を継続的に行うことで、最終的には売上の向上につながると思います。最初から大きな費用をかけるよりは、さまざまな広告をテストしながら、自社のブランドに合う効果的な広告を見つけることをおすすめします。Qoo10の担当営業の方々がおすすめする広告枠を試してみるのも良い方法です。
― Qoo10で長期的に達成したい目標は何ですか?
最終的にはビューティーカテゴリーも含めて1位を獲得することが目標です。そのためには、まずはQoo10で食品カテゴリーの市場シェアがビューティーカテゴリーと同じくらい大きくなるように努力していきます。
現在の主な顧客層は20代と30代の女性で、特に購買力の高い30代の女性層を中心に展開しています。この顧客層をさらに広げるために、ビューティーインフルエンサーとの協業を進めており、日本のワーキングマザーのインフルエンサーとの協業も計画中です。今後は、商品ラインナップを増やし顧客層の年齢を広げていきたいと考えています。
