【レックダイレクト】ユーザー目線が成功を呼ぶ!顧客ニーズを捉えたレビュー戦略

Qoo10でベビー用おしりふきが驚異的な売上を記録。その成功の裏には、どのような戦略があるのか?特定の商品が牽引する一方で、新たな成長の可能性も常に模索しているレック株式会社。今回は、EC事業部の運営担当者 齋藤様に、現在のQoo10での販売状況、そして今後の戦略について詳しくお話を伺いました。

目次

  1. ベビーおしりふきで圧倒的シェア
    Qoo10の顧客ニーズを捉えた商品開発とレビュー戦略
  2. 「メガ割」依存からの脱却
    通常月の売上を底上げするSNS連携とメガポ活用
  3. 「Qoo10大学」で最新トレンドと販売ノウハウを習得

ベビーおしりふきで圧倒的シェア
Qoo10の顧客ニーズを捉えた商品開発とレビュー戦略

―現在のQoo10での販売状況はいかがですか?

現在、Qoo10での売上は、ベビー用おしりふきが牽引しており、全体の半数以上を占めている状況です。一方で、当社が誇る強力なブランド製品「激落ちくん」や「バルサン」は、Qoo10での販売力をまだ十分に活かしきれていないと考えています。

これらの主力商品をさらに効果的に訴求できれば、店舗全体の売上をいっそう拡大できる可能性があります。実際、昨年末の大掃除シーズンには「激落ちくん」シリーズを詰め合わせた「お掃除福袋」が、通常の期間を大幅に上回る販売実績を記録しました。この福袋は毎年年末に合わせて企画・販売しており、リピーターのお客さまからも非常に高い評価をいただいています。

今後は、ベビー用品で築いた顧客基盤を活用しながら、「激落ちくん」や「バルサン」といった主力ブランドの露出と販促を計画的に強化し、Qoo10での成長をさらに加速させていきたいと考えています。

―Qoo10で売上が伸びている理由は何だと考えられますか?

売上が伸びている理由は、大きく二つの戦略的アプローチがあると考えています。

1つ目は、セールごとに「お得感」をしっかりと伝える仕組みを徹底していることです。具体的には、セール期間中には、3,000円や6,000円以上の購入で利用できる「ショップクーポン」を発行し、お客さまにまとめ買いを促しています。また、「商品詳細ページ」には必ずセール専用の「特集ページバナー」を掲載し、そのイベントで最もお得な商品や注目の商品を強調しています。

さらに、メガ割やメガポなどのイベントごとに値引き率や季節商品の内容が変わるため、それらの情報を迅速に画像に反映させることで、より多くのお客さまに商品の魅力を効果的に伝えることを心掛けています。

2つ目は、ユーザーの視点に立った商品開発と展開を徹底していることです。特に成功したのが、Qoo10ユーザーの特性を詳細に分析し、ターゲットを絞った限定パッケージのおしりふきです。

この商品は発売からわずか2週間で、ちょうどメガ割期間中に数百万円という驚異的な売上を達成しました。商品のパッケージ開発にあたっては、Qoo10公式X(旧Twitter)アカウントと連携し、ユーザー参加型のデザインアンケートを実施しました。

社内のデザインチームで約50案を作成し、その中から厳選した4案を選び、最終的な決定はユーザー投票に委ねました。その結果、柔らかなトーンとパステルカラーを取り入れたデザインが圧倒的な支持を得ました。

これは、女性に人気の雑貨店や最新のトレンド雑誌を徹底的にリサーチしたことに加え、特にZ世代に好まれるカラーがQoo10ユーザーの特性と合致した点がヒット要因だと分析しています。

さらに商品ページでは、機能的価値だけでなく、「パパ、ママになってもおしゃれで可愛く」という情緒的な価値を強調したキャッチコピーを盛り込み、ファッション感度の高い女性ユーザーのペルソナに的確に訴求しました。

こうしたQoo10ユーザーに特化した限定デザインの取り組みは、他のECサイトでは見られない独自の事例として、Qoo10での売上を伸ばす貴重な成功体験となりました。

―メガ割・メガポにはどのように取り組んでいますか?

当社は、Qoo10の大型セールイベントである「メガ割」と「メガポ」には毎回参加しています。準備は、Qoo10の担当営業の方からセール告知や商品提案、クーポン条件に関する案内メールが届いたタイミングで開始します。通常、セールの1か月前から準備を始め、2週間前までにセールで打ち出す商品を決定し、デザイナーと協力してセール専用の商品画像やバナーを制作しています。

広告はセール開始の1週間前を目安にスタートし、タイムセール枠で露出する商品は10日前までに確定しています。最近では「キーワードプラス(プラス展示)」も積極的に活用しており、前回のセールの実績や「Qoo10 Analytics」で確認できる「上位の検索ワード」を分析したうえで、狙うキーワードを選定しています。

ベビー・キッズ用品は、検索ボリュームの大きいキーワードが少ない傾向にあるため、キーワード選びが特に重要だと感じています。

なお、メガ割とメガポの準備フローは基本的に同じですが、利益率を考慮すると、メガポではメガ割よりもクーポンの割引率を少し抑えるようにしています。

―他のモールと比較してQoo10での課題は何ですか?

当社は、楽天市場、Yahoo!ショッピング、au PAYマーケット、dショッピング、Amazonなど、複数のECモールに出店しています。社内では各モールの売れ筋情報を共有し、他のモールでヒットした商品をQoo10で試す、あるいはその逆を行うなど、横展開に取り組んでいます。

現在、売上規模が最も大きいのはAmazonで、次いで楽天市場です。Qoo10での課題は、メガ割の集客力が非常に強いため、通常月の売上が伸び悩むことです。楽天市場やAmazonにも大型セールはありますが、セール期間外でも比較的安定していると感じます。メガ割の力が大きい分、セール終了後の売上の変動が目立ち、他モールと比べるとその影響が課題となっています。お客さまから見ると、「Qoo10はメガ割の際、特に魅力的な商品が揃う場所」という認識があるのかもしれません。

「メガ割」依存からの脱却戦略
通常月の売上を底上げするSNS連携とメガポ活用

―課題に対する取り組みや、他のショップへのヒントはありますか?

メガ割以外の月でも売上を安定的に伸ばすために、Qoo10の担当営業の方と話し合いを重ね、いくつかの効果的なアプローチを実践しています。

最も重点を置いているのが、SNSをはじめとする外部チャネルからの流入を強化することです。Instagram、X、LINEなどのSNSプラットフォームを活用してフォロワーを増やし、セール依存からの脱却を図っています。これにより売上の季節変動を抑え、通常月でも安定してリピーターを獲得できるようになりました。特にInstagramでは、商品の使用感や機能性を伝える短尺動画コンテンツが好評で、直接的な流入増加に貢献しています。

次に注力しているのが、Qoo10が集客に力を入れている「メガポ」イベントの戦略的活用です。メガポはメガ割ほどの認知度はないものの、プラットフォーム全体での露出が増えており、実際に過去1年間の分析では、メガポでの売上が前年比150%と大幅に伸長しています。

また、他ショップの成功事例として注目しているのが、LINEと「ショップクーポン」を組み合わせた顧客管理の手法です。具体的には、ショップクーポンに独自のパスワードを設定し、「LINEの友だち」登録者だけにそのパスワードを限定配信することで、特別感を演出しながらリピーター獲得につなげる手法が非常に効果的だと分かりました。当社では現在、LINE公式アカウントの構築を進めており、来期からはQoo10との連携を本格化させる予定です。

さらに楽天市場やAmazonで好調だった商品をQoo10でも迅速に展開する「クロスプラットフォーム分析」を徹底しています。また、Qoo10内では、類似商材を販売する競合ショップの価格や商品構成を定期的に分析し、自社の差別化ポイントを明確にしています。競合分析の際は、より実態に近い結果を得るため、PCではなくスマートフォンアプリからユーザー目線で調査するよう徹底しています。

「Qoo10大学」で最新トレンドと販売ノウハウを習得

―「QSM(販売管理ツール)」の活用状況や課題はありますか?

当社では、Qoo10の販売管理システム「QSM」を業務効率化の中核ツールとして積極的に活用しています。特に注目しているのは、セミナー情報や最新機能・プロモーションの使い方に関する動画が充実している「Qoo10大学」です。そこで得た知識を、チーム全体で共有するようにしています。

しかし、運用していく中で、重要なセミナー案内メールが届かないことがあり、Qoo10の担当営業の方に相談したところ、QSMに登録しているメールアドレスが最新情報と同期できていない可能性があることが判明しました。

この問題を放置すると、カスタマーセンターからの緊急連絡も受け取れなくなる恐れがあるため、直ちにQSM左メニューの「基本情報」→「基本連絡先」から登録情報を更新しました。この対応により、以前は見逃していた多くの有益な情報が適切に届くようになり、セミナー参加率も向上しています。

また、マーケティング分析の観点から、クーポン発行画面で利用数がリアルタイムに確認できない点については引き続き改善を要望していますが、その代替策として担当者から紹介された「お問い合わせ」内の「レビュー管理」機能を活用しています。

このツールからダウンロードできるExcelレポートは非常に詳細で、どのクーポンが何人に受け取られ、どのユーザーが実際に使用したかまで追跡可能です。特に昨年のシステム改良後は、データの可視性が大幅に向上し、文字切れなどの技術的問題も解消されたため、商品カテゴリや評価スコアでの絞り込み分析が容易になりました。

こうしたQSMツールの最新アップデート情報をチーム全体で共有し、新機能をいち早く業務に取り入れることで、データに基づいた意思決定が可能になり、結果として業務効率と顧客満足度の向上につながっていると実感しています。

―他のQoo10出店ショップへのメッセージをお願いします。

Qoo10で奮闘されている方へ特にお伝えしたいのは、「Qoo10は顧客とのコミュニケーションチャネルとして非常に優れたプラットフォームである」ということです。

日々の運営で最も価値を感じているのは、レビュー機能の充実度です。他のECプラットフォームと比較しても、Qoo10はユーザーからの質の高いレビューが格段につきやすく、それが商品開発の貴重なヒントになっています。お客さまからの率直なフィードバックは、私たちの努力に対する直接的な反応として、チーム全体の大きなモチベーションとなっています。

新商品の投入や既存商品をアップデートした際には、必ずレビュー欄をチェックするのが習慣になっています。Qoo10のユーザーは非常に細部まで気を配った丁寧なレビューを書いてくださる方が多く、商品の微妙な使用感や改善点まで明確に指摘していただけるため、次の商品開発や改良に直接活かせる貴重な情報源となっています。

ユーザーとの双方向コミュニケーションを大切にしつつ、同じQoo10というプラットフォームで切磋琢磨している方々と共に、さらなる高みを目指して「一緒に成長していきましょう!」と心からエールを送りたいと思います。

 

レックダイレクト
https://www.qoo10.jp/shop/lecdirect