
目次
- Z世代に響く“実感スキンケア”と効率的な運用体制──「MD」が実践するQoo10販売戦略
- メガ割×SNSで指名検索を生む、“話題づくり”の裏側
- OEM事業としての挑戦──スピードと柔軟性で支援を拡大
- “つくる”を超えて、“売れる”を支援する。
Z世代に響く“実感スキンケア”と効率的な運用体制──「MD」が実践するQoo10販売戦略
― 現在のQoo10での販売状況はいかがですか?
Z世代を中心とした若年層のお客さまから高い支持を受けており、スキンケア分野のアイテムが好調です。中でも、ビタミンCやアゼライン酸、グルタチオンといった“実感のある成分”を取り入れた商品が人気を集めています。
Qoo10の大型セールイベントに合わせ、SNSを駆使した発信強化やキャンペーンなどの施策も積極的に行っています。
―売れ筋商品にはどのような特徴がありますか?
Qoo10では、トレンドに敏感な若年層を中心に、“効果を実感できるスキンケア”を求める声が強く、そうしたニーズに応える商品が好調です。 特に「使ってすぐ肌の変化を感じられる」「SNSで紹介したくなる」といった要素を持つアイテムが支持を集めています。
また、Qoo10の購買行動はブランド単位ではなく、アイテム単位で人気が広がる傾向があるため、商品そのものの魅力を磨き上げることが重要です。ひとつのヒット商品が話題となり、それをきっかけに他のアイテムにも興味を持っていただくなど、ブランド全体への関心が広がっています。

―Qoo10では韓国ブランドが人気ですが、その中でどのように差別化を図っていらっしゃいますか?
韓国ブランドはトレンドの移り変わりが非常に速く、次々と新しい成分や商品を市場に投入するスピード感があります。
しかし、私たちは、そうしたスピード競争を追いかけるのではなく、「日本の消費者に長く愛される品質と安心感」を軸に差別化を図っています。
具体的には、肌への刺激を抑えながらも効果を実感できる処方づくりを心がけています。韓国ブランドのように高濃度で攻めるアプローチも魅力ですが、私たちは日本の薬機法やお客さまの肌質に合わせて、“実感と安全性のバランス”を大切にしています。
また、成分軸以外で、実感力のある他にはない商品の実現を目指し、「他にはないギミックや機能性」を取り入れた商品設計を行っています。たとえばカプセル入りの美容液や、クレンジングジェルに独自の保湿成分を配合するなど、見た目の新しさと使い心地の満足度の両立を意識しています。
ブランドとして大切にしているのは、流行の創出だけではなく、「信頼できる品質」でお客さまに選ばれること。一つひとつの商品の企画意図や使用実感をしっかり伝えながら、韓国コスメとは異なる“日本ブランドらしさ”を磨いていきたいと考えています。
―Qoo10上でリピート購入を促すために効果的だった施策はありますか?
リピート購入を促すには、まず「購入のきっかけづくり」そのものに注力すべきだと考えています。セールイベントでの満足度の高い初回の購入体験が、そのまま次の購入にもつながるケースが多く見られます。
施策としては、即時値引きや限定キャンペーンなど、その場で価格メリットを実感できる訴求が効果的だと感じています。反応スピードが速いQoo10ユーザーに対し、タイムリーな訴求やクーポン配布の工夫が、購買意欲を最大限に刺激し、特別なリピート専用施策を打たなくても、「購入体験の満足度」や「価格・タイミングの最適化」を徹底することで、Qoo10内で継続的に選ばれる流れが生まれています。

メガ割×SNSで指名検索を生む、“話題づくり”の裏側
―「メガ割」など大型イベントに向けて、どのような準備や工夫をされていますか?
メガ割では、新規のお客さまにブランドを知っていただく絶好の機会と捉えています。そのため、イベント直前になって慌てるのではなく、1〜1.5ヶ月ほど前から販売計画や在庫の調整を進めています。商品によっては需要の高まりを見越して、最大で3ヶ月前から製造・仕入れを行うケースもあります。
また、メガ割当日に向けては「外部での話題づくり」を重視しています。X(旧Twitter)やTikTokを中心に、イベント前のタイミングでキャンペーン情報や商品紹介を発信し、「メガ割で買いたい」という指名検索を増やす動きを意識しています。Qoo10内での施策と外部SNSでの拡散を組み合わせることで、イベント期間中の売上を大きく伸ばすことができており、自動連携された在庫管理体制を活かし、メガ割でもスムーズに対応しています。
イベント期間中は、Qoo10内の広告メニューや特集ページにも積極的に参加し、露出を最大化しています。外部でバズを起こし、Qoo10内で確実に購買へつなげる。この二段構えが弊社のメガ割対策のポイントです。
― 最近の取り組みの中で、成果につながった成功施策や改善事例があれば教えてください。
ここ1〜2年の取り組みの中では、特にSNSを活用した話題づくりと在庫管理体制の改善が成果につながりました。
成果が大きかったのは、TikTokでのプロモーションです。外部インフルエンサーとの連携により短期間で1,000万インプレッションを超える拡散が生まれ、イベント期間中の売上が大きく伸びました。
このバズをきっかけに指名検索も増加し、通常時の売上にも良い影響を与える結果となりました。
一方で、販売量が急増しても対応できるよう、倉庫システム(WMS)を活用した受発注の自動化を進めました。以前は人手での処理が中心でしたが、今では複数モールの在庫を一括管理できるようになり、出荷の安定性とスピードが格段に向上しています。この仕組みによって、販売ピーク時でも欠品や遅延のリスクを抑えられるようになりました。
また、OEM事業では、実際にヒットした「リポピール」の開発が大きな成功事例のひとつです。市場トレンドを分析しながら、独自の成分設計とプロモーションを組み合わせたことで、Qoo10内でも大きな反響を得ました。
「外部で話題をつくる力」と「内部オペレーションの強化」の両面から改善を進めた結果、販売とブランド認知の双方で確かな成果を実感しています。

―レビューや問い合わせ対応で意識していることがあれば教えてください。
Qoo10の大きな特徴は、他のモールと比較して圧倒的にレビュー投稿率が高いことです。
この自然発生的に集まる購入後のリアルな声は、特別な施策なしに次の商品改善や開発のための貴重なヒントをもたらします。
レビューは、新たなお客さまが商品を選ぶ際の信頼につながる大切な要素と捉え、いただいた声をしっかり受け止め、品質や使用感に対する評価を次の商品づくりへ反映することを意識しています。
また、問い合わせ対応に関しては、スピードと誠実さを最も重視しています。Qoo10では対応の早さがストア評価にも直結するため、お客さまからのお問い合わせには可能な限り即日でお返事する体制を整え、安心感や信頼感を高めています。
レビューの積極的な活用と迅速かつ誠実な問い合わせ対応の両面から、「このショップで買ってよかった」と思っていただける体験づくりを心がけています。
―今後、Qoo10でさらに売上を伸ばすために注力したいこと、または期待している機能やサポートはありますか?
Qoo10ではこれまで継続的に販売を続ける中で、広告やイベントによって多くの新規顧客との接点を得ることができました。今後は、その成果をより正確に可視化し、次の打ち手につなげていく仕組みづくりに注力したいと考えています。
たとえば、広告のトラフィックデータはすでに把握できますが、今後は「どの施策がどれだけ売上や新規顧客の獲得につながったのか」を定量的に分析できるようになると、より戦略的な運用が可能になると思います。特に、広告ごとのROAS(費用対効果)や新規・リピートの比率が見られるようになると、投資判断の精度が高まると感じています。
また、Qoo10の検索順位(SEO)についても、どの要素が評価されて上位に表示されるのかをより明確に理解できるようになると、多くのお客さまに商品を届けやすくなると思います。こうした仕組みが整えば、私たち出店者としてもより前向きにチャレンジできる場になるはずです。
その一方で、Qoo10にはレビュー投稿率の高さやイベントの集客力といった独自の強みがあると感じています。今後はそうした魅力を最大限に活かしながら、データ活用や運用効率の面でもさらに一緒に成長していければと考えています。
OEM事業としての挑戦──スピードと柔軟性で支援を拡大

(ここからは、OEM事業を担うベイコスメティックス代表・加藤様にお話を伺いました。)
―自社ブランドからOEM会社を立ち上げた経緯と、現在OEM展開を積極的に進めている背景をお聞かせください。
もともとは、自社ブランドの商品開発・販売を進める中で痛感した、製造面での深刻な課題がきっかけでした。具体的には、せっかくヒット商品が生まれても、生産が追いつかず、最も売れるタイミングで欠品してしまう。また、新商品の開発を依頼してから製造完了までに半年以上を要することも珍しくなく、このスピード感のもどかしさが、事業参入の決定的な動機となりました。
その経験から、「自分たちの手で柔軟かつスピーディにものづくりができる体制をつくりたい」という思いが生まれ、OEM事業としてベイコスメティックスを立ち上げました。現在は、自社ブランドで培った販売・マーケティングの知見を活かし、他社ブランドの企画・開発・製造支援も積極的に行っています。
OEM展開を進めている背景には、「自分たちが感じた課題を、他のブランドの成長支援を通じて解決したい」という思いがあります。市場の動きが早い今、開発スピードや柔軟な対応力は欠かせません。だからこそ、メーカーの立場からもマーケットの最前線を理解し、“売れる商品づくり”を一緒に考えられるOEMパートナーでありたいと考えています。
―「企画〜製造〜販促」までワンストップで支援できる点が強みとのことですが、特に評価されているポイントはどこでしょうか?
特に高く評価いただいているのは、「売れる商品を市場視点で企画できること」です。
私たちはOEMメーカーでありながら、自社ブランドとして実際にQoo10で販売を行っているため、 “売れる要素”や“お客さまに響く打ち出し方”を体感ベースで理解しています。
商品企画の段階では、まず市場や競合の動きを分析し、どんな切り口やコンセプトであればヒットにつながるかを一緒に考えます。単に製造を請け負うだけでも、「この成分や訴求の方が今の流れに合っています」といった提案まで行う点がクライアント様から評価をいただいております。
また、販促面では自社ブランドでの成功事例をもとに、SNS運用やキャンペーン設計などのノウハウを共有し、販売戦略まで支援できることも大きな強みです。市場データと実践経験の両軸からアドバイスできるため、単なる製造パートナーにとどまらず、“事業を一緒につくるチーム”として伴走できる点が他社との違いだと考えています。

“つくる”を超えた“売れる”支援
―Qoo10のようなECモール出店者向けに提供している支援内容(例:販促提案、在庫調整対応など)を教えてください。
ECモールでは、販売スピードやトレンドの変化に柔軟に対応できることが何より重要です。私たちはOEMメーカーでありながら、その重要性を熟知しているからこそ、在庫管理と生産調整の両面から現場目線で支援できる体制を整えています。
販促面については、自社ブランドで得た実績をもとに、モールごとの特徴に合わせたアドバイスを行っていますが、特に力を入れているのは急な需要変化にも対応できる柔軟な供給体制です。
ヒット商品が出た際には、すぐ追加生産へ移れるよう、生産数量や納期を調整し、販売計画と製造スケジュールを一体で管理しています。
こうした体制によって、モールでの大型イベントや突発的なトレンドにも安定して対応できるのが弊社の強みです。
「製造して終わり」ではなく、売れるまで・安定して売り続けるまでを共に支えるOEMパートナーとして、ブランドの事業に寄り添ったサポートを心がけています。
―実際に支援されたOEM案件の中で、印象に残っている成功事例があれば教えてください。
印象に残っているのは、やはり「リポピール」という商品のOEMプロジェクトです。
この案件は、企画段階から一緒にお手伝いし、市場分析・成分設計・販促戦略までトータルでサポートさせていただきました。
「リポピール」は発売後すぐにSNSで話題となり、Qoo10内でも非常に高い反響をいただきました。現在ではレビュー数が7,000件を超え、複数のSKU展開に広がるまでに成長しています。ヒットの要因は、トレンドを的確に捉えながらも、使い心地や満足度といった“リピートされる品質”を両立できたことにあると感じています。
特に印象的だったのは、クライアント様と「どうすればSNSで自然に拡散されるか」を徹底的に話し合い、プロダクトとプロモーションを同時に設計した点です。企画から販促まで一気通貫で行う弊社のスタイルが、ヒットに直結しました。
このプロジェクトを通じて、「OEMは製造だけでなく、ブランドの成長を一緒に設計する仕事」であることを改めて実感しました。こうした成功体験を今後の支援案件にも活かし、より多くのブランドの成長をサポートしていきたいと考えています。
― SNS活用(TikTok・YouTube Shortsなど)や販促支援で意識していることはありますか?
SNS活用では、“拡散されること”よりも“共感されること”を大切にしています。
現在はYouTube Shortsなど、新しい媒体にも挑戦しながら、お客さまが自然にシェアしたくなるストーリー性を重視しています。
リアルな口コミや使用実感に近い発信を意識することで、結果的に信頼とファンを育てていく。それが私たちのSNS戦略の基本です。
また、SNSを単体の施策としてではなく、Qoo10のイベントやプロモーションと連動させることも重視しています。「メガ割でこの商品を買いたい」と思ってもらえるよう、イベント前のタイミングで発信を行い、SNS上の興味関心をQoo10上の購買行動につなげる導線設計を行っています。
発信内容においては、「過度な演出は避け、リアルな使用感に寄り添う発信で、自然な口コミとファン形成につなげています。それが結果的に自然な口コミやレビューにつながり、ブランドのファンを増やす最も効果的なアプローチだと感じています。
― 最後に、Qoo10出店者がOEMを活用してブランドを成長させる上でのアドバイスをお願いします。
Qoo10で販売されている多くのブランドは、OEM製造を活用していると思います。自社工場を持たないからこそ、柔軟でスピーディにものづくりができるOEMパートナーを選ぶことが、成長の鍵になると感じています。
特にQoo10のようにトレンドの変化が速く、発信スピードが求められるモールでは、「作る」だけでなく「売れるまでを一緒に考えられる」OEMが重要です。単に製造を委託するのではなく、市場や販促の視点を共有しながら、商品企画や展開戦略を共に設計できるパートナーを選ぶことが、ブランド成長の大きな後押しになります。
OEMは発注先ではなく、“もう一人のチームメンバー”のような存在。市場の変化を一緒に読み解きながら、スピードと品質、そしてマーケティング力を兼ね備えた体制を築くことで、ブランドの可能性は大きく広がると思います。
私たちベイコスメティックスも、今後さらに多くのブランドと手を取り合いながら、Qoo10をはじめとするECの舞台で「売れる仕組みづくり」を支援していきたいと考えています。


