販売力が加速する「分析ツール」と「販売管理ツール」活用 10のコツ

ご存知のように、単に商品を並べるだけでは高い売上は見込めません。成功しているショップはツールを効果的に使用してデータを集め、それをもとに適切な戦略を実行しています。

本記事では、繁盛店が使っている「分析ツール」と「販売管理ツール」の使い方を紹介します。訪問者の流入経路の追跡から、商品を「お気に入り」に追加したり「カート」に入れる顧客数の把握、さらにはリアルタイムでの販売数の確認まで、これらのツールを駆使することで、あなたのショップも売上を大きく伸ばすことできます。

この記事のポイント

  • Qoo10 Analyticsの「トラフィック/コンバージョン」メニューを使用して、商品ごとの流入経路を詳細に把握し、広告の最適化を図ります。
  • QSM(販売管理ツール)を利用して、商品ごとのPVと販売数を当日/前日/直近1週間で把握し、販売動向をリアルタイムで分析します。
  • 「タイムセール」プレミアム枠の反応が良くない場合、実績を見て人気商品や定番商品に差し替えることで、広告効果を最大限に活用し売上を確保します。

1.繁盛店は知っている ツール活用 5つのコツ

1.1 商品ごとの流入経路(トラフィック)を把握する

商品や顧客に関するデータ分析ツール「Qoo10 Analytics」のメニューの一つ、下図の❶「トラフィック/コンバージョン」を活用することで、商品ごとの流入経路の詳細を把握できます。過去2年間の任意の月を選択してデータを閲覧できるので、長期的なトレンド分析にも役立ちます。

具体的な操作方法としては、❷期間を選択後、❸「適用」をクリックし、❹「商品別」で分析を行います。さらに、❺「ホーム、検索結果、プロモーションの経路を詳細表示」にチェックを入れることで、訪問者がどの経路から商品ページにアクセスしたかが明確になります。

また2024年7月からは、Qoo10のトップページにあたる「ホーム内」での訪問者の具体的な流入元が特定できるようになりました。以前は訪問者がホーム内から来たという情報のみでしたが、今では「タイムセール」や「ランキング」など、具体的なセクションからの流入もわかるようになりました。

広告に関しても、検索結果からの流入が「キーワードプラス」や「パワーランクアップ」によるものか、広告枠を経由しないオーガニック検索(自然検索)結果からのものかを識別できます。さらに、「タイムセール」や「今日の特価」などのディスプレイ広告の効果も広告枠ごとに把握できます。

このように、Qoo10 Analyticsを用いることで、商品ごとの流入元データを得ることができ、より効果的に広告を活用できます。

1.2 商品ごとに「お気に入りリスト」「カート」に入れている顧客数を把握する

次に、Qoo10 Analyticsを活用して、商品ごとにどれだけのお客さまが「お気に入りリスト」や「カート」に商品を追加しているかを把握する方法について解説します。このデータは、商品の人気度や購買意欲を測る重要な指標です。

まず、Qoo10 Analyticsの❶「顧客データ」をクリックします。ここで、特に❷期間の設定を変更する必要はありません。そのまま❸「適用」をクリックし、❹「商品別」を選択します。すると、前日までに各商品の「お気に入りリスト」や「カート」に追加された「顧客数」が表示されます。この数字は、前日までのデータが常に反映されるため、最新の顧客動向を把握するのに役立ちます。

売れ筋商品ほど「お気に入りリスト」や「カート」への追加数が多いことが分かります。これは、購入を検討している商品をお客さまがお気に入りリストに入れることが多いためです。このデータを活用することで、どの商品がお客さまに注目されているか、また、どの商品が購入に至る可能性が高いかを把握することができます。

1.3 特集ページバナーや他の商品ページへのリンク設定を行い 回遊率を上げる

Qoo10は、他のECモールと比較してお客さまの回遊性が低いと感じている方もいるかもしれません。しかし、実際に売れているショップは、ショップページや人気商品、トラフィックの高い商品ページに、下図の❶特集ページへのリンクや❷他の関連商品へのリンクを積極的に設定することで、サイト内での回遊率を促進しています。

このような施策は、Qoo10 Analyticsの「トラフィック/コンバージョン」を通じてその効果を確認することができます。ここでは、「ショップページ」や「特集ページ」、「商品詳細ページ」からのトラフィックを具体的に把握することが可能です。これらのデータを定期的にチェックし、広告だけに頼らない無料の施策を試すショップが増えています。

1.4 商品ごとの当日/前日/1週間のPVと注文数を把握する

QSM(販売管理ツール)を使用して、商品ごとの当日、前日、および直近1週間の「PV」と「販売数」をかんたんに把握することができます。この機能は、販売している商品のパフォーマンスをリアルタイムで把握するのに非常に便利です。
まず、QSMの❶「商品の照会/修正」をクリックし、次に❷「検索」をクリックします。これにより、当日、前日、および直近1週間の販売数とPVが一覧表示され、商品ごとのパフォーマンスをすぐに確認できます。Qoo10 Analyticsとは異なり、過去の指定した期間に遡って分析することはできませんが、直近のデータを即座に確認することが可能です。

例として、商品Aと商品Bを比較した場合、1週間の販売数はそれぞれ71件と60件で大きな差はありません。しかし、PVを比較すると商品Aの方が3倍以上獲得しており、転換率に顕著な違いがあることがわかります。このデータをしっかりと把握し、広告の最適化にもつなげてください。

1.5 当日の実績を見てタイムセール枠の商品を変更する

「タイムセール」と「今日の特価」には「プレミアム」と「スタンダード」という二つの広告枠が存在し、プレミアム枠では掲載時に実績を見て商品の差し替えが可能です。
この特徴を活かし、例えば新商品をタイムセールプレミアム枠で掲載したものの、期待したほどの反応が得られなかった場合、途中で定番商品や人気商品に差し替えられます。これにより、プレミアム枠の効果を最大限に活用し、売上を確保することができます。

 

2.もっと早く知りたかった ツール活用 5つのコツ

2.1 商品レビューを確認して商品ページに活かす

ここからは、QSMを活用して商品レビューを管理し、販売戦略に役立てる方法を解説します。商品のレビューは、お客さまの満足度を把握し、商品の改善や新商品の開発に役立つ貴重なフィードバックです。

まず、QSMの❶「お問い合わせのレビュー管理」をクリックし、確認したい❷「商品コード(商品番号)」を入力して❸「検索」をクリックします。すると、該当商品のレビューが一覧で表示され、5段階評価の中でどのようなレビューが多いのかが一目でわかります。

Qoo10が毎年開催している「Qoo10 AWARDS」で表彰されるショップも、レビューの重要性を強調しています。レビュー管理機能をうまく活用することで、顧客満足度の向上と売上を増やすことができます。

2.2 「条件付き特典機能」を活用してレビュー獲得率アップ

Qoo10は他のECモールに比べてレビューが集まりやすいですが、さらにレビューの投稿率を高める機能があります。
QSMの「プロモーション」メニュー内にある「条件付き特典」機能を利用し、レビューを書いてくださったお客さまに対して次回以降のお買い物で利用できる「Qポイント」を提供します。

この設定を行う際には、対象商品を選び、テキストのみのレビューか写真付きのレビューかを決め、提供するポイント数とその有効期間を設定します。設定が完了すると、商品ページには「レビュー作成」で獲得できるポイント数が表示されるため、お客さまにとっても書くメリットが明確になり、レビュー投稿を促進することができます。

これは、売れ行きは良いもののレビューが集まりにくい商品に対して効果的な方法です。この機能を活用することで、商品の魅力をお客さまの声を通じて伝えることができるだけでなく、その商品の信頼性も向上し、結果としてさらに売れやすくなります。レビューが少ない商品があれば、この機能を試してみてください。

2.3 カートクーポンの条件を把握して対象商品を増やす

Qoo10で「カートクーポン」を上手に活用するためには、対象商品の条件を正確に理解しましょう。特に、カートクーポンが適用されるのは商品価格のみであり、送料は含まれない点に注意が必要です。

例えば、3,000円で10%オフのカートクーポンを使用する場合、商品価格が2,000円で送料が1,000円の場合は、カートクーポンは適用されません。しかし、商品価格が3,000円で送料が無料の場合は、カートクーポンを使用してお客さまは2,700円で購入することができます。

また、Qoo10では3,000円で10%オフや1万円以上で使用可能なカートクーポンが頻繁に発行されます。売れているショップは、これらのカートクーポンに合う商品を準備しています。

QSMの「お知らせ欄」でアナウンスされる翌月のカートクーポン発行スケジュールをチェックして、お客さまにとって魅力的な商品を増やしていきましょう。

2.4 アプリ/モバイルの表示ルールを把握する

PCとアプリ/モバイルでは、表記上さまざまな違いがあります。Qoo10のお買い物の97%以上がアプリ/モバイルから行われているため、表記方法を把握することは特に大切です。

ランキング掲載時の価格表示について、アプリ/モバイルでは「販売価格」または「参考価格」からの割引率が表示されるため、参考価格の設定が有効です。これにより、割引がお客さまにとって魅力的に感じられ、閲覧数の増加に寄与します。

また、レビューの表示も違います。PCではレビュー総数が表示されるのに対し、アプリ/モバイルではレビューの平均点のみが表示されます。そのため、新商品は迅速な配送を心がけることで、高評価のレビューを獲得しやすく、平均点を高めます。

さらに、ショップ独自の「ショップクーポン」を発行することも有効です。ショップクーポンはアプリ/モバイルで「〇円ショップ割」や「〇%ショップ割」といった形で目立って表示されるため、お客さまの購入意欲を刺激します。

これらの点を踏まえ、アプリ/モバイルの表記を意識することで、より多くのお客さまを引きつけ、売上を増加させることが可能です。

2.5 「QSMヘルプ」の「ガイド」はURLをコピーして作業効率を上げる

「QSMヘルプ」を使って情報を調べる際に、表示を大きくして読みやすくする方法がありますが、ページを移動すると表示が消え、使いづらいと感じるかもしれません。この問題を解決するために、以下の手順をお試しください。

QSMヘルプでは、調べたい情報に関連するキーワードを上図❶の検索窓に入力すると、関連する「ガイド」が❷の部分に表示されます。該当するガイドを選択し、そのガイドの上部にある❸のアイコンをクリックすると、ページのURLがコピーされます。そのURLをブラウザのアドレスバーに貼り付けて、必要な情報を参照してください。

おわりに

本記事では、“販売力が加速する「分析ツール」と「販売管理ツール」活用 10のコツ”と題して、売上アップのためのツール活用術を解説しました。商品の流入経路の分析、お客さまの行動把握、リアルタイムの実績確認など、具体的な手法をご紹介しました。これらのツールを上手に使うことで、売上を最大化することができます。本記事を参考にして、ぜひ積極的にツールを使ってみてください。