【甲羅組】初期は低価格の商品を強化して注目を集める

「本場のカニ料理をもっと身近に」というスローガンを掲げ、各ECモールで数々の主要な賞を受賞している「甲羅組」。2020年にQoo10での出店登録をして手つかずの状態が続いた後、2024年4月に販売を開始し、9月のメガ割では売上を大幅に伸ばしました。今回はこの人気店の商品選定やセール中の施策について、ご担当の福地さまに伺いました。

目次

  1. 商品数を増やし「メガ割」での販売に注力して売上が増加
  2. 初期は低価格の商品を強化し、注目を集めることが重要
  3. SNSを活用してセール情報を積極的に発信

商品数を増やし「メガ割」での販売に注力して売上が増加

Qoo10で販売を開始したきっかけは何ですか?

実は、2020年にQoo10の「出店登録」をしてショップのアカウントを持っていましたが、商品を登録していない状態がずっと続いていました。今年に入り、社内でネットショップの拡充を図る方針を立てたため、私がQoo10店の担当となり、3月から販売準備を進め、4月に商品の販売を開始しました。

―ご自身が担当した直後に売上が伸びた理由は何ですか?

販売を始める前から、個人的にQoo10を利用し、サイトをよく見ていたので、女性の顧客が多いことや販促イベントのタイミングについてある程度の知識がありました。そのため、どのような食品が売れるかのイメージがつきやすかったことも、売上が伸びた理由の一つだと考えています。

また、Qoo10側の食品カテゴリーの担当営業から、どの商品を優先的に販売し、強化すべきかについて具体的なアドバイスを受け、その通りに実行したことで売上が向上しました。

―メガ割で売上を増やすために何を意識しましたか?

とにかく商品数を増やす必要があると感じ、急ぎで商品の登録を行いました。初めに他モールの商品CSVデータを利用して一括で登録し、その後さまざまな商品を順次追加していきました。

Qoo10の商品登録は非常に簡単で、HTMLコードの知識がなくても、他モールの商品ページを全て選択してそのままコピー&ペーストすることができるので、商品登録を担当するスタッフも商品の追加作業をスムーズに進めることができました。

特にメガ割は多くのお客さまが訪れるセールなので、間口を広げて、お客さまとの接点を増やすことを最も意識して、品ぞろえを大幅に拡充しました。

―商品の動向はどのように把握していますか?

「Qoo10 Analytics(分析ツール)」を参考に、商品の動向を把握するために表を作成し、チェックしています。広告を積極的に活用した結果、メガ割では1日あたりのアクセス数や注文数が通常の月と比べて格段に増えました。

広告を活用した商品の動きは特にチェックしており、これらの商品が売上の大幅な向上に寄与しました。データをもとに、どの広告が効果的であったかを把握し、次回のセールでも活かしていきたいと思っています。

初期は低価格の商品を強化し、注目を集めることが重要

―Qoo10ではどのような広告を利用していますか?

Qoo10の担当営業と相談しながら、注力したい商品を中心に特集ページに掲載される「タイムセール」や検索連動型の「キーワードプラス」などの広告を主に活用しています。ただ、多くの広告メニューを効果的に使い分けるためには、もっと検証を行い、効果を高めていく必要があると感じています。

―広告以外のトラフィックを増やすために工夫していることはありますか?

他モールでこの時期によく検索されるキーワードを参考にして、Qoo10の「商品名」に積極的に取り入れています。 

また、他モールと比較してQoo10では競合商品が少ないため、広告に頼らない自然検索からのトラフィックも増えています。主力商品のカニだけでなく、海鮮全般のカテゴリーで見ても、販売しているショップ数が多くないため、今のうちに多くのお客さまに当店を知っていただけるようQoo10の販売に力を入れています。

―Qoo10では「骨取りさば」や「訳ありほたて貝柱」など、楽天市場やAmazonとは異なる商品も推していますね。

出店したばかりで、お客さまがまだ定着していないモールでは、まずは商品を見ていただくために、手に取りやすい低単価の商品を中心に推し進めています。これからはQoo10でも他モール同様、私たちの主力商品であるカニやおせちを積極的にアピールしていく予定です。

―ECモールで売上を伸ばすにはどんな工夫が必要ですか?

新商品を木曜日に発売する取り組みを2年から3年続けています。売上のピークを分散させるため、お客さまがアクセスしやすい機会を増やしています。また、各モールのセールに合わせて目玉商品を準備し、お客さまがいつでもお得に購入できるように努めています。

Qoo10やメガ割での甲羅組の認知度が上がったことで、以前は他モールで購入していた方々も、メガ割の価格に魅力を感じ、購入を決めるケースが増えています。購入履歴からは、顧客がセールごとにモールを使い分けていることがわかります。特にメガ割や「メガポ」といったセール時には、クーポンやポイントの半額をQoo10が支援してくれるため、価格の訴求がしやすく、ショップにとって大きな利点です。

ECモールで売上を上げるためには、各モールが盛大にプロモーションを行うセールや販促イベントで積極的に販売し、お客さまに常にお得感を提供することを心がけています。

また、出荷に関しては、指定日よりも早めに行うことで、スムーズな配送を実現し、トラブルを避けるよう努めています。

SNSを活用してセール情報を積極的に発信

―セール中盤に売上が伸びた要因は何ですか?

メガ割やメガポでは、クーポンが数回に分けて配布されるため、クーポンの利用期限日や新たに発行されるタイミングが売上につながりやすいと感じています。そのため、売れるタイミングに合わせてXやLINEでお客さまにセール情報をお知らせしています。

Qoo10が行うセール以外にも、自社でセールしている時はSNSを使い、商品のお買い得情報をお知らせしています。Qoo10ではモール専用のLINEアカウントを作成する必要がなく、自社の公式LINEから直接告知できるため、運用上の負担が少ないです。

―客単価を上げるコツはありますか?

楽天市場で「まとめ割」を活用しているのと同様に、Qoo10でも「セット割引」を用いてまとめ買いを訴求しています。今後は、商品名や商品画像などにも割引情報を明記し、お得に購入いただけるよう工夫していきます。

また、商品画像に「いいね♡でお得情報!」と記載して「お気に入り」登録を促しています。お気に入りに登録された商品が増えれば、複数商品の購入機会も増えます。

―レビューを集める工夫はありますか?

迅速な配送を心がけており、Qoo10のお客さまからは商品到着後すぐにレビューを投稿していただけることが多いです。お客さまにとってレビューがないと購入時に不安を感じることがありますので、販売直後に多くのレビューが集まることは大変ありがたいことです。

他モールでは商品到着後に自社でフォローアップメールを送っていますが、Qoo10では、Qoo10のシステムで「[Qoo10]ご注文の商品が発送されました」という自動メールが配信されています。そのメールに「商品のレビューを書くとQポイントが発行されます。」と書かれていることも、レビューが集まりやすい要因と考えています。

最後に、ショップへのアドバイスをお願いします。

ショップ内の商品数が多いほど、そのショップでお客さまが欲しいものを見つけやすくなります。例えば、商品数が10個だけでは、お客さまが求めているものがなかった場合、すぐに興味を失われてしまう恐れがあります。そのため、実店舗とは異なり、物理的な制約がないオンラインにおいては、できるだけ多くの商品を登録することが重要です。

また、出店後しばらくは、お客さまが購入しやすい価格帯の商品を中心に展開することが効果的です。まずは手を出しやすい価格から試してもらうことで、その後リピーターになりやすいためです。

そして、Qoo10が毎月実施する販促イベントで積極的に販売することをお勧めします。特にメガ割やメガポで販売する商品数を増やすと、大幅な売上アップが期待できます。これらのセールに合わせて、商品準備を進めましょう。