【Slimplanet】いち早くトレンドを把握してヒット商品をつくる

Qoo10 AWARDS 2023の食品部門賞を受賞したSlimplanet(スリムプラネット)は、市場の先取り、ランキング分析、まとめ買いの促進、広告活用などを通じてブランドの競争力を向上させています。絶え間ない改善を行い、高品質の商品をリーズナブルな価格で提供する同社の販売ノウハウを、海外事業チームのチェ・サムエル・パートリーダーに伺いました。

目次

  1. 未開拓の市場で日本のお客さまの心をつかむ
  2. 競争力を維持するためにランキングを分析する
  3. メガ割ではまとめ買いを促進して売上を最大化する
  4. 広告を効率的に活用する

未開拓の市場で日本のお客さまの心をつかむ

―Qoo10に出店したきっかけを教えてください。

韓国の健康食品に対する日本のお客さまの需要は認識していましたが、日本市場への参入にあたり、複雑な手続きや多額の費用などの障壁を感じていました。そんな中、越境ECという形で簡単に海外販売ができるQoo10を知り、日本市場に素早く進出することができました。

―Qoo10での販売や売上はどのような状況ですか?

日本のECモールだけでなく、複数の海外市場でも販売していますが、Qoo10での売上が最も高いです。Qoo10は特に購入転換率と再購入率が高いのが特徴です。Qoo10には韓国好きのお客さまが多く、韓国ブランドが成長するのに良い条件が整っています。

―御社がQoo10で人気がある理由は何だと思いますか?

様々な市場分析とトレンドをいち早く把握しているからだと思います。

もともとSlimplanetは、ブランド名の通り、韓国でダイエット商品を中心に販売していましたが、Qoo10では現在、ダイエットよりもインナービューティー商品(美容サプリメントなど)を中心に販売しています。

市場調査の結果、インナービューティー商品を戦略的に拡大することを選択しました。その時点では日本でまだこの市場が本格的に形成されていない状況でしたが、Qoo10でインナービューティー商品がランキング上位を占めているのを見て、これらの商品に対する日本のお客さまの需要が高いことに気づきました。

トレンドを敏感に察知し、戦略的に素早くこれらの商品を拡充したことで、この市場を先取りすることができました。市場がまだ確立されていない段階で先行して取り組んだことが、大きなアドバンテージになったのです。

―売上が大きく伸びたきっかけは何でしたか?

「ザンシスリムナイト」というダイエット商品を中心にマーケティングを行ったことが、売上を大きく伸ばした最初のきっかけです。日本でダイエット商品に対する需要が高く、それをうまくターゲティングしたことが大きな要因です。

特に、日本のインターネットメディア「BEBE」でザンシスリムナイトが紹介され、口コミで広まりました。そのおかげで外部からの流入が増え、売上が増加し、Qoo10でランキング入りしました。ランキング上位を獲得することで、お客さまがこの商品を目にする機会が増え、高い販売実績につながりました。

次に、「スノーセル」というインナービューティー商品を中心にマーケティングを行い、売上が大きく増えました。日本市場でインナービューティー分野がまだ形成されていない隙間をいち早く捉え、その商品群を戦略的に拡大しました。

常にトレンドを読み取ろうとした努力によって、チャンスを逃さず捉えることができ、商品自体の競争力と効率的な広告の活用、そして「メガ割」などの大型セールを適切に組み合わせることで、売上を大きくアップさせることができました。

競争力を維持するためにランキングを分析する

―売るために何をしていますか?

競争力を維持するためには、継続的な市場調査と改善が重要です。トレンドをいち早く把握し、競合商品を分析して、私たちの商品の強みを訴求するようにしています。

毎日Qoo10のランキングを分析しながら市場調査を行い、ランキング上位の商品を研究しています。Slimplanetのインナービューティー商品は食品カテゴリーに属しますが、美容やコスメの視点でも捉えることができます。そのため、食品カテゴリーだけでなく、美容など関連性のあるカテゴリーも総合的に確認しています。

同じ食品カテゴリーであっても、乳酸菌なのか、ダイエットなのか、プロテインなのか、商品が多岐にわたるので、どの商品が今注目されているのか、具体的なトレンドを把握しています。スポット的に浮上した商品なのか、定番商品なのかも区別して見ており、私たちよりランキングが高い商品は、商品詳細ページやマーケティング方法もベンチマークするようにしています。

追いつかれると淘汰されるため、トレンドに合わせて絶えず商品を改善していくことも重要です。

私たちの人気商品「スノーセル」を意識して、競合商品が有効成分「グルタチオン」の含有量が多いことを強調して人気を得たことがあります。その時、私たちはグルタチオンの含有量を含めてスノーセルをアップグレードし、マーケティングを強化して競争力を維持しました。

競合商品を持続的に分析し、商品を改善することで、より良い商品がお客さまに届き、ブランド競争力を高めることができます。そして、トレンドの流れを逃さないために、継続的に新商品を開発しています。

―ランキング上位を維持するためのノウハウはありますか?

サムネイル画像の定期的な更新と商品詳細ページのローカライズ(現地化)を通じて、お客さまに新鮮さを提供するようにしています。サムネイル画像にもある程度の有効期限があるので、1年に1~2回は必ず画像のアップデートをしています。

今注目されている商品でなくても、継続的なメンテナンスを行うことで、ショップが気を配っている商品という印象を与えることができます。

また、日本のショップの商品ページを分析し、商品ページを可能な限りローカライズしています。韓国の商品ページをそのまま翻訳して使っているショップもありますが、私たちはローカライズした方が商品に対する信頼感をお客さまに与え、より効果的にお客さまに商品を訴求できると考えています。

ECモールごとに詳細ページも違うのですが、Qoo10では他より表現を大胆にし、目を引くようなイメージでお客さまを惹きつけようと努力しています。

―お客さまに再購入を促す工夫はありますか?

まとめ買いでの割引やサンプル品の提供をしています。

新商品の場合、お客さまに商品を知ってもらうまでが難しいので、新商品を発売すると、お試しの機会を提供しています。サンプル品を無料で提供したり、「1+1」(1つ買うと1つおまけ)などのキャンペーンを通じて既存客が気軽に新商品を試すことができるようにしています。

新商品を体験する機会によって、宣伝効果に加え、お客さまが既存の商品と一緒に新商品を追加で購入する可能性が高くなります。元々このようなイベントは主力商品に対してのみ実施していましたが、お客さまの反応が良く、売上アップにも効果的だったので、全商品に範囲を拡大して実施していく計画です。

クーポンのパスワードを設定し、「LINE」をフォローしてくれたお客さまに特別割引をするキャンペーンを行ったところ、クーポンのダウンロード数は多かったのですが、実際の使用はあまりありませんでした。 効果を高めることができる様々な方法を研究しています。

メガ割ではまとめ買いを促進して売上を最大化する

―メガ割はどのように活用していますか?

メガ割は、売上が通常より3~5倍程度増加します。もう一つの大型セールである「メガポ」も通常より売上が伸びるので、メガ割とメガポのセールは非常に重要視しています。この期間には新規のお客さまの流入も多く、再購入のお客さまが商品を大量に購入することも多いです。

20%割引になるメガ割やメガポの期間に商品をまとめ買いして、買い置きするお客さまが多いので、この時期にもっとたくさん購入していただけるように、20%オフに加えて自社ブランド内でキャンペーンを実施しています。「3+1」「2+1」(3つ/2つ買うと1つおまけ)や「5000円以上購入でプレゼント」などは、お客さまの再訪問を促し、一度に複数の商品が購入される効果があります。

広告を効率的に活用する

―広告はどのように活用していますか?

広告は最大限に活用しています。「タイムセール」「キーワードプラス」「カテゴリープラス」「スマートセールス」「パワーランクアップ」などの広告を使っていますが、特にキーワードプラスとカテゴリープラスは非常に効果的です。

キーワードプラス広告は、最大16個まで表示されるのですが、できるだけ上位に表示されるようにしています。商品を上位に表示させるほど、お客さまの目に留まりやすくなり、それだけ閲覧数も上がるので。

キーワードプラスは、キーワードによって広告単価がかなり違うので、予算の範囲内で最大限の効果を出せるようにしています。そのため、普段から様々なキーワードを実験的に活用し、どのキーワードが私たちの商品に最適なのか、広告効果を分析しています。

また、Qoo10内部の広告と外部広告の両方を活用しています。購入意欲が高いお客さまに露出されるQoo10の内部広告に比べ、SNSを通じた外部広告は購入転換率が低いのは事実です。どちらかを選択しなければならないのであれば、もちろん内部広告に集中する方が良いですが、売上が伸び悩むショップなど、外部広告が必要なケースもあると思います。

―Qoo10のショップにアドバイスをお願いします。

Qoo10のメリットは、韓国商品が好きなお客さまが多いため、購入転換率が高いことです。実購入者が多い環境であることが、韓国のショップにとっても大きなメリットだと思います。

また、Qoo10大学のセミナーや記事を通じて、販売に役立つ様々なノウハウを学ぶことができるので、新規ショップでも簡単に販売を始めることができます。一方、出店のハードルが低い分、 競争が激しいので、しっかりとした市場調査と商品改善が必須です。

それから、多様な有料広告枠が用意されているのもメリットです。ECモールによっては広告枠が少なかったり、広告費用が高すぎて広告を出すことが難しい場合もありますが、Qoo10は様々な広告オプションがあり、自社の商品を効果的に露出することができます。

Qoo10は日本のショップだけでなく、韓国のショップが販売するのにも適した環境なので、 広告をうまく活用し、努力すればショップを急成長させることができます。