【I-ne】お客さま目線から考えることが店舗最大化につながる

「BOTANIST」や「SALONIA」などのブランドを持ち、美容家電やヘアケアブランドを中心に多くのヒット商品を持つ「I-ne」。2024年1月からQoo10での販売に本腰を入れ、徹底的な分析と顧客目線のショップ運営により、6月のメガ割で売上実績を大幅に更新しました。今回は、同社の具体的な分析手法や広告戦略などをショップ責任者の佐藤さまに伺いました。

目次

  1. メガ割に向けた徹底的な準備で売上実績を大幅更新
  2. 広告の最適化にはPDCAサイクルの見直しが大事
  3. お客さまの視点で自分自身が買いたいお店かどうかを確認

メガ割に向けた徹底的な準備で過去最高の売上を大幅更新

現在の売上についてどう思いますか?

私たちは2024年の1月からQoo10での販売に本格的に力を入れ始めました。それ以前からQoo10にはショップを構えていましたが、十分な取り組みができていませんでした。しかし、1月から3月にかけて、商品ページやショップページを顧客目線で見直し、改善を行いました。

この取り組みが実を結び、6月のメガ割ではショップの売上が大きく伸びました。Qoo10ではさらに大きく成長できると確信しています。

Qoo10では、楽天市場やYahoo!ショッピングとは異なるターゲット層に合わせた商品の組み合わせが重要です。私たちはこの点に注力して、売上向上につながる戦略を実施しています。今後もこの方針を変えずに継続していきます。

―商品ページやサムネイル画像は具体的にはどのように変更しましたか?

ある商材では当初サムネイル画像には40代のモデルを使用していましたが、お客さまの反応が思うように得られなかったため、Qoo10の主要な顧客層に合わせて、20代のモデルが商品を持っている写真に変更しました。

また、メガ割などのセール期間中には、商品ページも改修しています。これは、商品のお得感をより強調し、特に若い世代のお客さまに商品の利点や特徴を明確に伝えるためです。若いお客さまは、「BOTANIST」や「YOLU」などの商品名は知っていても、実際にどのような商品なのかを理解していないことが多いため、有益な情報を提供することを目的にしたページへと改修を行いました。

―Qoo10で御社の製品が売れている理由は何だと思いますか?

主な理由は、商品がターゲット層とマッチしていることに加えて、積極的なプロモーション活動が功を奏したからです。特にヘアケアブランド「SALONIA」は、Qoo10の顧客層である20代から30代前半の若年層に非常に好評です。この層との親和性が高いため売上が伸びています。

また、Qoo10が展開するテレビCMなどのプロモーション活動も、アクセス数の増加につながり、私たちのブランド認知度を向上させ、結果的に販売増加に貢献しています。

さらに、Qoo10内での広告投資を増やしたことや、SNSでの露出を増やしたことも売上アップに寄与しました。

―SNSで発信する際に意識していることはありますか?

「X(旧Twitter)」や「インスタグラム」などのSNSを通じて、メガ割についての情報を積極的にフォロワーに訴求しています。メガ割は他のECモールの大規模セールと比べても、20%オフという非常に魅力的な割引率で、お客さまにとって絶好の購入機会です。なので、セールが始まる直前に告知を行い、さらにトラフィックが集中するタイミングで情報を一気に流すことで、注目度を高めています。

また、シャンプーなどのヘアケア商品と比べて、高い割引率を設定できる美容家電への反応がメガ割では良いため、美容家電をメインにインスタグラムのストーリーや「LINE」など、複数のSNSを活用して情報発信をしています。

広告の最適化にはPDCAサイクルの見直しが大事

―主にどのような広告を活用していますか?

検索型の広告「キーワードプラス」と「パワーランクアップ」に力を入れています。ピンポイントでヘアアイロンやシャンプーと検索された方の転換率は高いので、キーワードプラスは最も費用対効果が良い広告と考えています。

Qoo10で商品を探しているお客さまが私たちの商品をつい見てしまう。「面」をしっかりと取っていくことがECモールでの売上最大化につながると思っていますし、一番の理想と考えているので、「スマートセールス」「タイムセールプレミアム」「Mega AD」などもセール期間中に積極的に活用しています。

また、売上の最大化のために、今はまだPDCAを回している段階ですが、「ライブショッピング」も重要な広告手法の一つです。今年に入ってから既に3回実施しており、今後はメガ割期間の利用を予定しています。

ただ広告投資を増やすだけではなく、広告の最適化を図るため、PDCAをしっかりと回し、状況に応じた広告の出し分けを行っています。例えば、SEOによる自然なトラフィックが増えている場合は、キーワードプラスの投資を抑えるなど、柔軟に対応しています。

―定期的に検索順位は確認していますか?

私たちは検索順位とランキングを非常に重要視しており、毎日必ずチェックして、現在の順位を常に把握しています。もしランキングが下がっている場合は、売上向上のために、広告を追加で検討します。このような頻繁な確認と迅速な対応は、特にメガ割のような大規模セールには欠かせない活動です。

表示順位やランキングはどのように分析に活かしていますか?

特にSEOの掲載順位を注視し、売上にどのように影響しているかをチェックしています。例えば、シャンプーのカテゴリーで他社製品が長く上位掲載している場合、売上を上回ることができれば、SEOだけでなくランキングでも自社製品が上位になる傾向があります。

ヘアードライヤーや美顔器など他の商品カテゴリーでも、SEOとランキングの両方をしっかりと確認し、自社製品の市場での立ち位置を把握しています。さらに、競合他社がメガ割時にどれだけ露出されているかもチェックしています。

これらのデータをもとに、成長のために必要な施策を日々検討し、実行しています。この運営方法は他のECモールでも同様に行っています。

新規顧客とリピーターの割合はどうですか?

新規顧客とリピーターの割合に関しては、リピーターの増加を長期的な目標としていますが、現在は新規顧客の獲得に特に力を注いでいます。

強みである美容家電を活かして新規顧客を広く獲得することに注力しており、その後にヘアケア商品など他の商品に誘導することで顧客基盤を広げ、長期的にお客さまとの関係を築いていくことを目指しています。

―リピーターを増やす施策は何をしていますか?

1週間に1度必ず「クーポンPUSH」を送信しています。その際、全商品で使えるクーポンやブランドごとのクーポンなど条件を変えています。

公式のLINEアカウントを運営しているショップでは、「Shopクーポン」を効果的に活用しています。例えば、ショップページや商品ページにLINEのQRコードを表示し、そこから友だち追加したお客さまに対して、特定のパスワードを提供しています。

お客さまは、このパスワードを入力することで、割引価格で商品を購入することができます。ショップをお気に入り登録することをおすすめしてリピーターの増加にもつなげています。

なるほど、今後のリピート施策の参考にさせてもらいます。メガ割の期間中は、まとめ買いを狙い4,000円以上や5,000円以上のお買い物で使えるShopクーポンも発行しています。特に、「YOLU」では詰め替え用の商品を一緒に購入するお客さまが増えており、客単価の向上に寄与しています。今後はリピート購入率の増加も期待しています。

お客さまの視点で自分自身が買いたいお店かどうかを確認

「Qoo10大学」を利用することはありますか?

Qoo10大学は積極的に利用しています。特に私がQoo10担当を引き継いだ直後の1月から3月の間は、「QSM(販売管理ツール)」の操作方法や広告メニューの詳細など、多くの情報を学ぶために頻繁にアクセスしていました。このコンテンツがなければ、今でも操作方法に戸惑っているかもしれません。

また、広告に関する情報がとても役立ちました。例えば、メガ割の期間に広告をどのように利用すれば効果的かという具体的な戦略を学べます。初心者から中級者まで対応しており、多くの記事が役立ちます。

Qoo10大学で基本を学んだ後、さらに応用的な内容は営業担当者に直接質問して、理解を深めています。

Qoo10での販売を検討している方へのアドバイスをお願いします。

まず、自分がお客さまだったらどのようなショップで購入したいかを考えてみることが大切です。自分がQoo10で買い物をする際、ショップ選びの決め手となる要因をまず自分自身で分析すると良いと思います。

例えば、レビューが少ない、商品ページの説明が不十分、あるいは商品画像が雑なショップは避けたくなるでしょう。これらを自分のショップに照らし合わせて、お客さまが快適に買い物できる環境を整えることが、売上を最大化する秘訣です。